コラム
» 2012年09月21日 08時01分 公開

「のんびりゆったり」はローカル鉄道を潰す杉山淳一の時事日想(4/6 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

都会の列車は「定時性」、地方の列車は「速さ」が大切

 単純に列車とクルマを比べたら、クルマのほうが便利だ。ドアからドアまで直行できるし、必ず座れるし、好きな音楽をイヤフォンなしで聴ける。空調も思いのまま。個の空間の延長だから、他人を気遣う煩(わずらわ)しさもない。鉄道好きの私でさえ、満員の通勤車両はあんまり好きじゃない。だからクルマを使う機会も多いし、バイクを愛用した時期もあった。

 都会の人々が列車を選ぶ理由は「クルマより早いし、時間に正確だし、安い」だからだ。都会は信号が多いし、渋滞するし、クルマに関係ない電気や水道の工事で通行止めや車線減少もある。そして、訪問先で駐車場を探さなくてはいけないし、駐車料金は電車賃以上にかかる。それに比べて電車は時間に正確で、乗り過ごしても数分以内に次の電車が来る。ほとんどの地域が駅から徒歩圏だ。

 ところが、これらの条件は地方では通じない。道路は赤信号も渋滞も少ない。ほとんどの駐車場はタダもしくはタダ同然、あるいは駐車禁止区域が少ない。クルマもある程度の定時性を保ち、ガソリン代も鉄道運賃より安い(場合によっては高くなる)。そしてなによりも、ほとんどの人々にとって駅は遠い。ドアからドアへ直行できるクルマのほうが便利だ。

国道では何台もクルマを追い抜いた。信号が少ないから、あちらも速く走っている

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