インタビュー
» 2012年10月31日 00時00分 UPDATE

仕事をしたら“緑茶”が売れた:なぜ「綾鷹」が売れているのか? ヒットの秘密を探る (2/5)

[土肥義則,Business Media 誠]
yd_ayataka3.jpg 「綾鷹」がシェアを伸ばしている

土肥:「にごり」と聞いても、はて? 何だろう? と思う人もいるでしょうね。でも「急須でいれた」と表現されれば「自宅で、親が急須でいれてくれたな〜」といったことを思い出します。自分でもいれたことがあると思うので、イメージしやすいのかもしれませんね。

薄井:おっしゃられる通りです。消費者調査でも急須でいれたお茶といえば「お母さんにいれてもらった」「おばあちゃんに入れてもらった」「ちょっといいお店で出てくる」といったイメージを持っている人が多いことが分かりました。急須というのは人が使うモノなので、人の温もりのようなものを感じられるんですよ。急須で入れてもらったお茶を飲めば「ああ……自分は日本人だな」と実感できる瞬間でもあるわけです。

 「にごり」→「急須でいれたような味わい」に変更したことで、共感してもらったのではないでしょうか。その結果、「『綾鷹』ってどんなモノなんだろう?」と興味を持ってくれた人が増えていったのではないかと分析しています。

リーマンショック後は大変だった

土肥:急須でいれたような記事……にすれば、この記事もたくさんの人に読んでもらえるかもしれない。なんとなく温かみも感じられるし……(ぶつぶつ)。あ、いや、失礼。

 それにしてもこの5年間、まさに「順風満帆」といった感じですが、大変なときはなかったですか? 売れすぎて茶葉が足りなくなった、とか。

薄井:さすがにそれはありませんでしたが、厳しい局面はありました。それはリーマンショックのときです。

 「綾鷹」の開発に着手したときは、日本の消費者市場はプレミアム系のモノがブームになっていました。例えば、プレミアム系のビールであったり、アイスクリームであったり、チョコレートであったり。付加価値のあるモノには、多少高いお金を払ってでも買う……といった動きがありました。

 その一方で、飲料の価格が下落傾向にありました。スーパーなどでPB商品を扱うようになったのも、このころですね。消費者の意識が二極化しているときに、私たちは「味わいを重視したより本格的な緑茶を提供しよう。そしてプレミアム市場をつくっていこう」といった意気込みがありました。

 しかし「綾鷹」を市場に投入したあとに、リーマンショックがあって、景気が悪化していきました。消費者調査をしても、最も多く買っていただいている30〜40代の男性の懐事情が冷え込んでいることが分かりました。

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