インタビュー
» 2012年10月31日 00時00分 UPDATE

仕事をしたら“緑茶”が売れた:なぜ「綾鷹」が売れているのか? ヒットの秘密を探る (3/5)

[土肥義則,Business Media 誠]

土肥:たしか……「綾鷹」は他の緑茶よりちょっと高かったですよね。

薄井:一般的な緑茶は500ミリリットルで、希望小売価格は147円。一方の「綾鷹」は425ミリリットルで、157円。

土肥:うわ。容量が少ないうえに、価格が高い。景気がいいときであれば気にならないかもしれませんが、リーマンショックがあったときには気にする人が多かったでしょうね。

薄井:まさに10円でも安いモノを選ぶ……といった傾向がありました。消費者からは「『綾鷹』は他の緑茶に比べて10円高い」「容量が少ない」「値引きがない」「オマケが付いていない」といった声が多くありました。特別なときにしか飲めない緑茶――といった印象を持っている人が目立ち始めました。

土肥:知り合いの漫画編集者も、このときには嘆いていましたね。「コンビニではお弁当と飲料を買ったついでに、雑誌を買ってくれる人がいるんですよ。でも、リーマンショックのせいでお小遣いが減ったんでしょうね。お弁当と飲料は買っても、雑誌を手にとってくれる人が少なくなった」と。

 お弁当500円+飲料160円+雑誌300円だとしたら、1000円でおさまるんですよ。でも景気が悪くなってからは雑誌の300円を削り、そして飲料も10円でも安いモノを買うようになった。

薄井:消費者に「綾鷹は手を出しにくい商品」と思われてはいけないので、希望小売価格を147円にして、容量も500ミリリットルで販売することにしました。それまで販売チャネルはコンビニエンスストアと自動販売機が中心だったのですが、スーパーでも販売することになりました。さらに2リットルの商品を扱うなどして、段階的に消費者が買い求めやすいようにしていきました。

 当時の「綾鷹」は、限られたチャネルでしか販売してこなかったので、まだ十分に消費者を取り込めていませんでした。より多くの人が買い求めやすいように価格と容量を変更し、そしてチャネルを増やすことでリーマンショック後のピンチを乗り切り、販売数を伸ばすことができたのかなと分析しています。

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