もう1つは九州の甘木鉄道だ。赤字で国鉄から切り離された第三セクターだが、甘木駅構内に洗車機があり、車体も窓ガラスも常にピカピカである。観光路線ではないけれど、窓がきれいな列車は乗客に好評だろう。経営状況は優秀で、2006年に災害で鉄橋に被害が出るまでは黒字だった。現在の赤字もわずかだという。
大雨や強風、火山灰や黄砂などで窓ガラスは汚れる。そんな時は仕方ないとして、観光シーズンの快晴日に窓が汚い鉄道会社は、運営方法や労使関係など、何か問題があるのではないかと疑ってしまう。これ、一般企業の場合はどうだろう。窓の汚い会社は清掃業者を雇う余裕がないのか。社員に気配りの効いた人がいないのか。入居しているビルがだらしないのか。ビルオーナーが「窓が汚くても平気」だというなら、そのビル、どこかに欠陥があるかもしれない。
一般家庭はどうか……。ここまで思いを巡らせた時、私は自宅の窓の汚さにがくぜんとした。このままではいけない。まずは窓を掃除しよう。ガラスの曇りは心の曇りだ。小言爺みたいなことを言うけれど「窓ガラスの汚い会社は危ない」というジンクスは、当たっていると思う。
気づけば筆者の仕事場の窓も汚かった……富士山にピントが合わない(左)、窓を開けたらこんな風景だった(右)
- 鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ
SL、ブルートレイン、鉄道オタク現象など、いくつかの成長期を経て鉄道趣味は安定期に入った。しかしコミックやアニメと違い、鉄道ファンは鉄道会社にとって悩ましい存在だ。その理由は……。
- 「青春18きっぷ」が存続している理由
鉄道ファンでなくても「青春18きっぷ」を利用したことがある人は多いはず。今年で30周年を迎えるこのきっぷ、なぜここまで存続したのだろうか。その理由に迫った。
- なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか
鉄道の未来は厳しい。人口減で需要が減少するなか、格安航空会社が台頭してきた。かつて経験したことがない競争に対し、鉄道会社はどのような手を打つべきなのか。鉄道事情に詳しい、共同通信の大塚記者と時事日想で連載をしている杉山氏が語り合った。
- JR東日本は三陸から“名誉ある撤退”を
被災地では、いまだがれきが山積みのままだ。現在、がれきをトラックで運び出しているが、何台のトラックが必要になってくるのだろうか。効率を考えれば、鉄道の出番となるのだが……。
- あなたの街からバスが消える日
バスは鉄道と並んで、地域の重要な移動手段だ。特にバスは鉄道より低コストで柔軟に運用できるため、公共交通の最終防衛線ともいえる。しかし、そのバス事業も安泰ではないようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.