1月8日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで、「2013 International CES」が開幕、11日まで開催される(以下、CES)。約150カ国から3000超の企業が参加するという、超大型のイベントだ。
Consumer Electronics Showの略であり「国際家電見本市」と訳されることが多いCESだが、家電という言葉で連想するよりももっと広く、コンシューマ向けのエレクトロニクス・デジタル製品が勢揃いする。
CESは北米市場をメインターゲットにしたイベントだが、世界各国のコンシューマ向けIT関連商品が集結するため、IT・家電業界ではこの1年の動きを見る上で最も重要視されるイベントとなっている。CESが正式に開幕するのは1月8日だが、1月6〜7日に行われた各社のプレス向けの展示や説明会の内容を中心に、今年のCESの注目ポイントを紹介しよう。
これまでCESの主役といえば、テレビやオーディオなどのAV家電、コンピューター関連の企業だった。しかしこれら従来の主役に加えて、2011年頃からはスマートフォンやタブレット関連の展示が急速に増えている。今年は「PCからスマートフォン、タブレットへ」という流れがさらに強まりそうだ。
これまでCES初日の基調講演といえば、ビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏といった、米Microsoftのトップが務めるのが恒例だった。しかしMicrosoftは今年CESから撤退。今後はCESでの基調講演、ブース展示などを行わない方針だ。代わって基調講演を行うのは、米QualcommのCEO、ポール・E・ヤコブ氏。Qualcommは携帯電話(スマートフォン、タブレット)向けチップで知られるメーカーである。
米Appleこそ出展しないが、北米市場で発売されるスマートフォン、タブレットの新商品が多数展示される見込みだ。日本でも発売される可能性が高いスマートフォンとしては、Sony Mobile(参考記事)、Huawei(参考記事)の新商品が注目を集め、プレスカンファレンスには大勢の取材陣が詰めかけていた。
また、タブレットを中心に多くの端末に採用されているチップを製造している、NVIDIAもプレスカンファレンスを行い、「Tegra 4」を発表。このほか同社としては初めてのゲームコンソール、「Project SHIELD」を公開している(参照記事)。
今年のCESの小さな主役がスマートフォンとすれば、大きな主役がテレビ、それも「4Kテレビ」である。
4Kテレビとは、表示パネルの解像度がフルHDの4倍あるテレビのこと。フルHDの解像度は1920×1080ピクセルだが、4Kパネルの解像度は3840×2160ピクセル。横方向の解像度が3840でほぼ4000であることから、4Kと言われる。薄型テレビの画面は年々大きくなっているが、単純に画面を大きくしても解像度が変わらないままでは表示が粗くなってしまう。そこで解像度も上げて、より美しく高精細な画像を見られるようにしよう、という目的で登場したのが4Kテレビだ。
先鞭を付けたのは東芝だが、今年のCESでは東芝だけでなく、シャープ、ソニーといった日本メーカーや、サムスン、LG Electronicsといった韓国メーカーも4Kテレビを展示の目玉に持ってくるようだ。
一方、注目度が高い初日の基調講演に登場するパナソニックの津賀一宏社長は、講演で「脱・テレビ宣言」をするという報道が出ている。いずれにせよ、今年、日本の家電メーカーがテレビをめぐってどう動くのかは要注目と言えそうだ。
ここではスマートフォン・タブレットとテレビに話題を絞ったが、このほかにもCESでは、家電、コンピュータ、デジカメ、ゲーム、自動車関連など、さまざまなジャンルの新製品が展示される。
ITmedia/誠ではCESの特集ページにて、各媒体の記事をまとめ、随時CESのレポート記事を掲載している。具体的に各企業の展示内容を知りたい方は、特集ページをご覧いただきたい。
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