「4Kテレビ」は日本を救うのか? 米CES報道にみる“いつか来た道”相場英雄の時事日想(1/3 ページ)

» 2013年01月17日 08時01分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 先週、主要紙やテレビで、米ラスベガスで開催された国際的な電気、ITの見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」をめぐるトピックが相次いだ。専門媒体は別として、一般紙やテレビニュースをチェックしていた私は、暗たんたる気持ちになった。日系メーカーの最新技術を盛り込んだ主力商品が、従来通りの“紋切り型”の報道に終始していたからだ。

3Dの次は4K

 今般のCESを巡るトピックの中で、日本の一般メディアが一番時間を割いて取り上げていたのが「4Kテレビ」だ

 4Kとは、現行のフルハイビジョン規格の4倍の解像度、超高精細画像がウリの最新型テレビのこと。薄型テレビの大画面化が進む中で、より解像度の高い製品が求められていることが背景となり、日本の東芝やシャープなどが開発を急いできた。日本に比べて格段に間取りの広い米市場向けに、日系各社は80インチ超の商品ラインアップを取りそろえるという。

 あらかじめお断りしておくが、私は現地取材に行っていないうえに、専門知識も乏しい。各メーカーの展示ブースの様子は、ITmediaなどの記事を読ませていただいた上で本稿を綴っている。

 家電、特にAV好きの私は、一般紙や専門媒体のCESに関する記事を一通りチェックした。ただ、率直に感じたのは日本メーカーが相変わらず“いつか来た道”にいるという点だ。

CESで、東芝は第二世代4Kテレビを3種披露した
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