JR東日本が、混雑率ではマシな京葉線について輸送強化をしたい理由は、もしかしたらほかにもあるかもしれない。現在の快速通過駅付近で再開発が始まるなら、その鍵をにぎる要素が「鉄道の便利さ」である。東京駅から2つ目にもかかわらず乗降客が少ない越中島駅などは、住宅物件としてはもったいない立地だ。
この越中島・潮見・葛西臨海公園の各駅は、ラッシュ時間帯の快速中止だけではなく、日中の武蔵野線直通快速がすべて停まるため、1日の停車回数が126回も増える。新線開業を除くと、こんな駅は近年めったにない“出物”である。
私がJR東日本の社長なら、とっくにこの3駅周辺の土地取得を指示している。むしろ、不動産開発とダイヤ改正はワンセットで考える。国鉄時代にできなかった「多摩田園都市」方式を、いまJR東日本はやろうとしているのではないか。
- 鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ
SL、ブルートレイン、鉄道オタク現象など、いくつかの成長期を経て鉄道趣味は安定期に入った。しかしコミックやアニメと違い、鉄道ファンは鉄道会社にとって悩ましい存在だ。その理由は……。
- 「青春18きっぷ」が存続している理由
鉄道ファンでなくても「青春18きっぷ」を利用したことがある人は多いはず。今年で30周年を迎えるこのきっぷ、なぜここまで存続したのだろうか。その理由に迫った。
- なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか
鉄道の未来は厳しい。人口減で需要が減少するなか、格安航空会社が台頭してきた。かつて経験したことがない競争に対し、鉄道会社はどのような手を打つべきなのか。鉄道事情に詳しい、共同通信の大塚記者と時事日想で連載をしている杉山氏が語り合った。
- JR東日本は三陸から“名誉ある撤退”を
被災地では、いまだがれきが山積みのままだ。現在、がれきをトラックで運び出しているが、何台のトラックが必要になってくるのだろうか。効率を考えれば、鉄道の出番となるのだが……。
- あなたの街からバスが消える日
バスは鉄道と並んで、地域の重要な移動手段だ。特にバスは鉄道より低コストで柔軟に運用できるため、公共交通の最終防衛線ともいえる。しかし、そのバス事業も安泰ではないようだ。
- なぜ「必要悪」の踏切が存在するのか――ここにも本音と建前が
秩父鉄道の踏切で自転車に乗った小学生が電車と接触して亡くなった。4年前にもこの踏切で小学生が亡くなっている。なぜ事故は防げなかったのか。踏切に関する政策を転換し、「安全な踏切」を開発する必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.