事実上の“足あと”復活――mixiの考える「ユーザーファースト」とは何かなぜこのタイミングで?(2/5 ページ)

» 2013年02月01日 20時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

mixiユーザーファーストウィーク

 2012年11月5日〜9日、ミクシィはこのコンセプトの名を冠したイベントを行った。「ユーザーファーストウィーク」と称し、mixiユーザーと運営スタッフの交流会を行ったのだ。

 ユーザーファーストウィークが行われたのは11月5日、7日、9日の3回で、場所は東京・渋谷にあるミクシィ本社。各日とも前半が笠原健治社長や各サービス担当者からのプレゼンテーション、後半は参加者全員の懇親会、という構成になっていた。

 10月上旬にmixi内で募集を行ったところ、1200人以上の応募があったが、その中から1日あたり40人、3日間で合計約120人を招待したという。冒頭の笠原社長のプレゼンテーションは3回とも同内容だが、各サービスについてのプレゼンテーション内容は日によって異なり、それぞれ以下のようになっていた。

スケジュール

11月5日(19:00〜21:00)

ボイス(つぶやき)、日記、フォト、メッセージ、パーク、チェックイン、mixiのUI(PC・Windows 8・Touch)、ゲーム

11月7日(19:00〜21:00)

コミュニティ、ページ、バースデー、ニュース、モール、スマートフォン公式クライアントアプリ(iPhone・Android)

11月9日(19:00〜21:00)

訪問者(足あと)


mixi運営とユーザーの間にギャップが生まれてしまった

ミクシィの笠原健治社長

 3日とも、会の冒頭は笠原社長のプレゼンテーションから始まった。内容は、なぜこういった会を催すことにしたのか、mixiの歴史の振り返り、現在のmixiがどんな状況にあるのか、そして新しいコンセプトの「ユーザーファースト」についてだ。

 「ここ数年、より便利で心地よいサービスを目指して改善をしてきたのですが、一方でお叱りの声をいただくことも増えました。ユーザーの皆様から見て、新しい機能やサービスが、使いづらかったり、むしろ要らなかったりといったことがあったのではないかと思います。我々の思いと、皆様の思いの間にギャップが生まれてしまった。(略)改めてミクシィでは、『ユーザーファースト』を一番大事なものとして、旗頭として、掲げていくことにしました。ユーザーの皆さんからのニーズ、不満といった声を吸収しながら、より良いサービスを作っていきたい。(この後の懇親会では)ぜひ、忌憚のない意見をぶつけていただければと思っています」


mixiの歴史

 「mixiは2004年2月22日にスタートしました。当時、米国にFriendstarというSNSの走りみたいなサービスがありまして、今後はこういうのがコミュニケーションのインフラになるんじゃないか、と思ってmixiを作りました。もちろんそのまま真似たのではなく、独自の新しい機能を追加しています」(笠原氏)

 2004年当時からあったmixiの独自機能とは、例えば日記や足あと、コミュニティといった、mixiの原点ともいえる機能である。「2008年までは日記とコミュニティが中心で、2009年はmixiアプリ、ボイス(つぶやき)、2010年はmixiチェックなどの機能が追加されていく。mixiユーザーの招待がなければ会員になれなかったのが、自分で会員登録できるようになったのもこの頃だ。

2004年当時のmixiトップページ
笠原社長が最初に作ったmixiのデザインモック(左)。ロゴデザイン案も複数あった(右)。サービス開始当初から「女性にも使ってほしい」という思いがあり、そのイメージに合う一番下のモックに合わせてデザインを決めたという
デザインの変遷
新機能、ユーザー、パートナーの拡大

 2012年11月現在、mixiの会員数は約2800万人。そのうち、月に1回以上ログインするアクティブユーザーの数は約1400万人だという。スマートフォンからのアクセスが急増しており、PCやフィーチャーフォンからのアクセスをついに抜いた、という話もあった。

もともとPCよりもフィーチャーフォンからのアクセスが多かったmixiでは、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が一斉に進んだここ数年、スマートフォン対応が非常に大きな課題だった。現在はiPhone、Android、Windows Phone用アプリや、ブラウザから見る「mixi touch」といった複数のプラットフォームを提供している

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