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» 2013年02月28日 08時00分 UPDATE

伊吹太歩の世界の歩き方:米国 VS. 中国、サイバー戦争になったら勝つのはどっち? (2/3)

[伊吹太歩,Business Media 誠]

中国は「犯人」だとバレても気にしていない

 61398部隊は、米国とカナダを中心にサイバー攻撃を行い、特に政治、経済、軍事に関する情報を標的にしていると言われる。ほとんどは上海を拠点とし、一部は雲南省にもいる。中国の政府系通信業者チャイナテレコムから、国防目的であるとして光ファイバー通信の支援を受けている。

 数千人規模とも言われる部隊のハッカーたちは、サイバー分野に精通しており、英語を駆使する。例えば特定のアプリケーションに極秘ファイルやウイルスを埋め込む能力も持つ。さらにハルビン工業大学や浙江大学情報科学部などでリクルートが行われているという。

 ただ61398部隊は中国に存在する20以上のプロ ハッキング集団の1つに過ぎない。だがこうした中国の精鋭が、世界中の政府などをサイバー攻撃し、さらに軍事情報や技術を盗み出そうとしている。

 今回の騒動はそもそも、ニューヨークタイムズ紙が2012年10月に、温家宝首相の一族が私腹を肥やしていると指摘した記事を報じたことがきっかけだった。もちろんそれ以前から中国から米国に対するハッキングは発生していたと思われるが、温家宝叩きの記事が掲載されて以降、ニューヨークタイムズ紙には中国からのサイバー攻撃が激しさを増し、記者のメールが乗っ取られるなどした。同紙は、温家宝の記事とハッキング激化の関連を指摘してきた。

 すると今度は、他の米主要メディアに対する中国からのサイバー攻撃が頻発するようになる。ワシントンポスト紙、ウォールストリート・ジャーナル紙などが次々と被害にあった。これらの新聞社ははっきりと中国が犯人であるとしており、もはや中国側は「犯人だと判明しても関係ない」という態度なのだろう。

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