価値観は人それぞれ。服やアクセサリーを次々と買い換える人、ブランド品を集める人、グルメに大金をつぎ込む人、パチンコや競馬や宝くじにハマる人、年に何度も海外旅行に行く人もいます。一時の誘惑に身を任せて、どれだけのお金を失ってきたことか……。
まあもちろん、その時その時で楽しいので、それはそれで有意義なお金の使い方と言えます。でも、食べ物や旅行は瞬間的に消費されてしまうし、流行の服なども1〜2シーズンで価値は下がってしまいます。だったら、何かを一瞬で消費したつもりになって株を買ってしまう、というのはどうでしょう。その株を買ったら、それでそのことは「なかったこと」にしてしまい、あとはずっと毎年、お小遣い(配当金)を受け取って、制度があれば株主優待を楽しむ。ノーストレスで永遠に続く幸せが!
……なんて考えられればいいのですが。現実は、証券会社のWebサイトにアクセスするたびに株価の数字として突き付けられるわけです。含み益、含み損、どうしても気になってしまいます。証券会社を分けて、「お蔵入り専用」の証券口座を作ればいいのでしょうか。「タダで株主優待を手に入れ(た気分にな)る方法」を実践しようとしているのに、私の場合はなかなかうまくいきません。
それから、株主優待制度や配当金は突然なくなったりすることもあるので、永遠に続くかと思われた幸せも、いきなり壊れてしまうかもしれませんね。タダで株主優待を手に入れるのは、やはりなかなか難しいようです。
心から期待しながらタイトルをクリックしてしまった人、すみません! ついでに3月は非常に多くの企業の株主権利確定月ではありますが、株の約定から受け渡しに時間がかかるため、3月に株主であるためには3月26日に株を買っていなければなりませんでした。今年うっかりして権利を逃してしまった人は、また来年を楽しみに待ちましょう!
投資信託の運用者は株主優待をタダでもらっているのか気になっているところです。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)。2008年3月〜2011年12月に日本経済新聞紹介サイト「nikkei4946.com」で4コマ&コラム「まんがで見るキーワード」を連載。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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