シャープがサムスンの出資を受けると発表されました。技術力では世界の先端を走っていると言われる日本企業が凋落し、韓国企業の力を借りて再建を目指すという構図に、ショックを受けた人も多いのではないでしょうか。
そして、6年前は240万円(最低売買価格)もしたシャープの株価が今、30万円ほどに落ち込んでいて、買ってもいいものか悩んでいる人もまた少なからずいるのではないでしょうか。株価が大きく下げているときに買って、株価の回復を狙う投資法を「逆張り」と言います。本当に業績の回復がうまくいって株価が再度上昇すれば、大きな利益が手に入ります。シャープも、ここからV字回復するのなら買いたいと思ってしまいます。
しかし、逆張りは危険も大きい方法です。株式相場の格言に「落ちるナイフはつかむな」という言葉があります。業績が悪くて株価が下がっているのですから、急にそこからうまく回復できるとは限りませんよね。2012年に会社更生法を申請したエルピーダメモリのようにズルズルと落ち続け、下手をすればそのまま投資額がパー、なんてことだってあり得ます。投資を簡単に考えてはいけません。
ところで、ごく一部の若い女性や男性の間で、特殊な愛情の形を漫画や小説といった形にして共感しあう「同人誌」といった文化があります。昔は短歌や俳句などの作品で作られることが多かったのですが、時代は変わりました……。主に漫画やアニメ作品を題材にして作られるものが多い中で、”企業擬人化”というかなり特殊な愛情の形を好む人にとっては、シャープとサムスンの今回のニュースはその行く末が気になって仕方がないはずです。普通に株取引をやっている人との間には距離がありすぎて、共感してもらうのは難しいようですが……。
3社合併とかの場合はどうなるのでしょう。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)。2008年3月〜2011年12月に日本経済新聞紹介サイト「nikkei4946.com」で4コマ&コラム「まんがで見るキーワード」を連載。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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