イマドキの新入社員はとても優秀――テンプレ就活生と問題解決能力サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(2/3 ページ)

» 2013年04月15日 08時00分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

新しい選考方法を採用している企業も増えはじめている

 以前この連載で、私のプロデュースしているサイトのサービスを利用して、新卒採用を行っている企業を紹介しました(参照リンク)。面接も書類選考もなく、コードを書いてもらって、実際の開発合宿に参加してもらって、選考をするというエンジニア職の採用でした。それ以外にも、さまざまな企業がユニークな採用方法を展開し、テンプレ化してしまった新卒採用を脱して、少しでも「自社なりの見極め」ができるよう工夫をし始めています。

新しい選考方法を試す企業も増えつつある。ミートボウル(左)、デコボコラボ(右)

 例えば「ゲーム採用」はその典型でしょう。独自のボードゲームや体感型のイベントゲームを用意して、そこに参加してもらう。その参加姿勢からミッションをクリアする方法などを見て、その就活生の人となりを判断しようとしています。

 ゲーム採用の中には、「マージャン卓を囲んで採用する」、など、パッと聞くと「それでなにが分かるの?」という選考もあるようです。また、そもそも従来の就活のような選考は一切しないで、ただワークショップ(のようなもの)に参加し続けることが就活というケースもあって、まさに百花繚乱という感じでしょうか。就活といえばナビサイトと思い込んでいる人も多いようですが、実際はそうでもないのです(まだまだナビサイト利用による採用が一般的なのですが)。

 そういったタイプの選考方法を採用している企業に話を聞くと、その多くが「いろんな採用にトライしたい」といいます。従来型の採用スタイルも継続しつつ、そこでは取りこぼしている可能性のある就活生との出会いを求める、また、いままでの選考方法の途中に組み込むことで選考の精度を上げる、そんなチャレンジをしているのです。そして、彼らの多くが共通して見極めたいと考えているのが、まさに「問題解決能力」なのです。

 当然、それ以外の能力も求められます。例えば、その企業の風土とマッチするのかどうかは十分に見極めたいポイントですし、挫折し、それを克服した経験を聞くことによって、努力する能力などが見極められると信じています。頑張ったことはなんですか? という質問をすることで、継続学習能力なども見ることができるかもしれないと思っています。が、それらすべてが、ビジネス社会における基本中の基本である「困ったこと」を「解決する」ための能力の一つだと、今更ながら考えはじめているのです。

イマドキの新入社員はとても優秀だという話ばかり

 ここ数年、新入社員のレベルが高くなったと、いろいろな企業の採用担当者から聞きます。「ゆとり世代」などと馬鹿にされていたのは何だったのか? というくらい優秀だといいます。ニュースなどでは「使えない若手」を面白おかしく取り上げるので勘違いされがちですが、少なくとも今の40代の若手時代と比較すると比べ物にはならないでしょう。新卒採用の選考方法が洗練されてきて、優秀な人材を見極める精度が格段にあがっている一端かもしれません。そして、前述のように企業はさらにさまざまな方法を使って、選考の精度を向上させようとしています。

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