仮設商店街に寄って、東北にお金を落とそう相場英雄の時事日想(1/3 ページ)

» 2013年04月25日 07時59分 公開
[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)、『血の轍』(幻冬舎)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 昨年の当欄でも同じようなテーマで呼びかけをさせてもらった(関連記事)。GWの予定が決まっていない人に、もう一度はたらきかけてみたい。2年前の東日本大震災で甚大な被害を受けた東北の沿岸に足を運んでみるのはどうだろうか? 

 仙台や盛岡など主要なターミナル駅からは、レンタカーや路線バス、あるいは復興を果たしたローカル線などで気軽に沿岸地域へ出ることができる。現地には、プレハブの仮設ながらも、地元商店街が復活している。春先で新鮮な魚介類も安価で堪能することができる。いまだに現地の復興は途上であり、観光客がお金を落とし、経済活動の下支えをすることが必要なのだ。

海の幸満載

 今月初旬、私は小説の取材のために宮城県石巻市から岩手県宮古市までの三陸沿岸を担当編集者とともに自家用車で駆け回った。

 今年夏に刊行する新作で先の大震災をメインテーマに選んだことから、2年経過した現在の状況を自分の目で確かめることが主目的だった。取材と同時に楽しみにしていたのが、現地の海の幸だった。三陸各地は、震災前から何度も足を運んだ地域だっただけに、春先に現地で獲れる魚介類をたらふく腹に押し込もうという算段もあったのだ。

 石巻では、地元の友人らと居酒屋で地物のホタテや毛蟹、カレイなど旬の魚介類を嫌と言うほど堪能した。料金は、都内で食べるときのおよそ3分の1以下。お得感満載だったのは言うまでもない。

 翌朝は漁港の仮設食堂にて、丸ごと一杯が盛られた刺身のイカ定食を摂った。漁師や仲買人などサカナのプロがほぼ毎日通う食堂だ。クオリティーが悪いはずはない。

 また、震災前から頻繁に利用している石巻の鮮魚店では、獲れたての毛蟹やタコなどを自宅用に購入した。浜の値段は上下するので一概には言えないが、写真の蟹類のほかに、他の魚介類がパックになって配送料込みで5000円也。

石巻の鮮魚店で獲れたての毛蟹を購入した
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