2013年3月16日に、東急東横線の渋谷駅は地下駅に移転した。いままでは渋谷駅に到着するすべての列車が折り返していたため、交差支障による制約を受けていた。しかし新しい渋谷駅は、東京メトロ副都心線直通のおかげで中間駅のような構造だ。すべての列車を直通させれば、渋谷駅での折り返しはなくなり、交差支障をゼロにできる。
もっとも、副都心線と東横線の輸送需要は東横線側のほうが多いようで、現在は渋谷駅でも東横線列車の折り返しが実施されている。ただし、折り返し列車は4本の線路のうち、内側の線路を使って交差支障のないように配慮している。
今後、もっと増発が必要になり、渋谷駅で折り返す余裕がなくなった場合はどうするか。実はその時のために、副都心線の新宿3丁目駅に東横線方面折り返し用の引き上げ線が用意されている。
このように、交差支障をなくしたり、分散化することで、起点/終点型の路線は運行間隔を短くしている。このような段取りの良さが通勤ラッシュを支えている。趣味的な視点でも、鉄道システムの面白さがある。
地上時代の東横線渋谷駅。赤い渡り線を追加することで交差支障を減らしている
東横線が接続した地下の渋谷駅。両方向の折り返しが可能となっている
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