思い出を“本”にする――「やりとりbook store」ディレクターインタビュー（4/4 ページ）

[吉岡綾乃，Business Media 誠]

――ボタンを押してから何日で届くんですか？ 判型は1種類？

河野　「本にする」ボタンを押してから3日で届きます。本のサイズはA5定型サイズ（148×210mm）のみですが、50ページと100ページから選べます。50ページだと2600円、100ページだと3600円です。

――とりあえず今はサービスをリリースしました、という段階だと思うのですが、今後の展開を教えてください。

河野　（動画やWebサイトの）制作を請け負っているクライアントから、「何か面白いことできないですかね？」っていう依頼を受けることがよくあるので、そこにやりとりbook storeを入れて行きたいですね。例えば、ドーナツ屋さんとタイアップしてドーナツ柄の本の表紙を作るとか。結婚情報誌と組んで結婚式の本を作りましょうというキャンペーンとか、子育て雑誌と一緒に子どもの本を作りましょう、というキャンペーンとか……いろいろやっていきたいですね。

――実際に、やりとりbook storeで本を作ってみた、Tさんにも話を聞きたいと思います。Tさんは、お友達と二人で旅行にいった様子を本にしたんですよね。どうでしたか？

Tさん　やってみたら、思ってた以上に楽しかったです。なんか、旅行にストーリーをつける楽しみができた、というか……。旅行はよく行くんですけど、普段とちょっと違う意識がありましたね。「この本をいかに面白く残せるか」と意識することで、いつもより面白い写真を撮ったりとか、この写真の次にはこの写真を入れようとか。演出とか編集的な観点を持って旅行する、というのがあるのが新鮮だし、面白かったです。

　「風景ばっかりだから二人の写真も撮ろう」「ここは一緒に写らないで、一人の写真のほうがいいんじゃない？」とか、ホテルに帰った後にアプリを立ち上げて、二人でやりとりして使う写真を決めるというのが、すごく面白かったですね。日中動き回って疲れてるのに、必ず毎晩やってました（笑）。

T嬢が友人との旅行のようすを実際に本にしたところ

友人とのメールのやりとりを本にまとめているアプリ画面。空港での待ち合わせのようすから始まり、屋久島の景色やその時2人が感じたことなどがテンポ良くつづられている

――TさんのiPhoneにアプリを入れて、お友達はそれを見る……という形ですよね。「こうなるといいのに」って、リクエストありますか。

Tさん　友達もアプリを入れられて、二人でおたがいに編集できたらいいな、と。メールだけじゃなく、LINEのやりとりも本にできるといいですよね。あとはやっぱり、これ作ったら友達にあげたくなるので、2冊目は安くなるサービスとかあるといいなあ……と思いました。