来日中、FacebookのCOOが語る「女性の社会進出に必要な3つのこと」(1/4 ページ)

» 2013年07月03日 08時00分 公開
[Business Media 誠]
book 『LEAN IN』日本語版

 FacebookのNo.2、シェリル・サンドバーグ氏が、自著『LEAN IN』日本語版の出版に合わせて来日中だ。安倍晋三首相との会談も行った。

 サンドバーグ氏は1969年生まれの43歳。Googleでグローバルセールス&オペレーション担当副社長を務め、AdWordsやAdSenseのセールスチャンネル開拓に当たるなど、Googleのビジネス面の屋台骨を作った人物だ。2008年にFacebookのCOO(最高執行責任者)に就任、マーク・ザッカーバーグ氏の右腕として働く一方で、プライベートでは2児の母でもある。

 7月2日に『LEAN IN』日本語版の出版を記念して行われた記者会見で、シェリル・サンドバーグ氏が語った内容をまとめた。

※本記事は、naverまとめ来日中 FacebookのCOOが語る「女性の社会進出に必要な3つのこと」から転載しています。

女性の社会進出に必要な3つのこと

シェリル・サンドバーグ氏。タイムズ誌の「世界で最も影響のある100人」にも選ばれている

シェリル・サンドバーグ 安倍首相からも「日本の今後の経済成長のためには女性の社会進出、リーダーを目指すということが必要」というコメントをいただいておりますが、それって実は日本だけじゃなくて世界中どこでもなんです。

 実はこの世界って男性主導ですよね。男性が支配しているんです。というのも数百ある国の中で、女性がトップに就いているのは16カ国にすぎません。また世界中のどの企業においても、上場企業、大企業の95%以上のトップは男性です。

 私が書いた「LEAN IN」という本ですけど、これは女性だけでなく、ぜひ男性にも読んでいただきたいです。本の中では、3つのことをやりましょうという話をしています。

 まず1番目にやらなければいけないこと。それは「女性はこうあるべきだ」という枠組みを外すことなんですね。というのも、世界中どこを見ても、子供の頃から男の子は「頑張って、リーダーになりましょう」という教育をしています。

 でも女性は「みんなを助ける。他の人のために何かをやりましょう」と言われて育ちます。例えば頑張ってる女の子に対しては、「偉そう」「扱いづらい」と言いませんか?

同じように頑張っている男の子に対しては、誰もそんなこと言わないですよね? 「女のくせに偉そう」とか言いがちですよね

 2番目にしなければならないこと。これは企業の運営方針を変えるということですね。結婚しても、母親になっても働きやすい企業体質に向かっていくということです。早朝に会社に行くこと、そして残業したり、深夜労働した後にも、接待だなんだと飲みに行かなければいけない。そういうような社会は、やはり子を持つ母親にとっては厳しいです。これは母親だけではなく、子を持つ「親」にとっては働きづらい環境ですよね。

 この本の中では私の個人的な経験、自分自身の話をしていますが、出産した後、私は実際に働き方を変えました。

日本女性は男性の5倍、家事をやっている

 3つ目にやらなければならないこと。それは家庭の中での仕事分担の比率を変えていくことです。調査で分かっていることがあります。日本の女性は家庭の中での家事・育児は男性の5倍やっています。これを変えるのは難しいということは、私も分かっています。

 ただ女性をもっと社会で活用する、女性の社会進出をサポートする、あるいは女性が組織のトップに立てるような社会を作るためには、家庭の中でのバランスを整えていくことが必要です。

 これは経済成長のためだけではなくて、やはり家族のためにも大切なことなんですね。父親がより家事や家庭生活に参画するような結婚は、その結婚自体が幸せなものになりますし、調査で分かっていることは、そういった家庭で育った子どもは学業の成績も良くなる、社会に出ても活躍できる傾向にある、そして自分が幸せな人間だと思えるようになるんです。

 まさにこれは、今取り組まなければいけないことだと、私は思っています。というのも今後も経済成長していくためには、そういった女性の参画が必要です。社会を変えていくためにはいま動くことが大切です。そして実際に男女の平等性を保つこと、これは日本だけでなく、世界中で求められているのです。

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