来日中、FacebookのCOOが語る「女性の社会進出に必要な3つのこと」(2/4 ページ)

» 2013年07月03日 08時00分 公開
[Business Media 誠]

記者との質疑応答

――産経新聞と申します。世界で高齢化が進んでいて、日本では65歳までの雇用が義務化されることになりました。これは若い人の働く機会を奪うと同時に、女性の働く機会を奪うことになるのではないかと思います。この問題をどうやって解決していけばいいというお考えをお持ちですか?

シェリル・サンドバーグ これは調査でも分かっていることなんですが、企業は多様性、男性も女性も雇っていた方が業績が良くなるという結果があります。

 これは多くの経営者、ほとんどの経営者が男性ですが、皆分かっている通り、より競争力を高めていくのであれば、男性も女性も雇用すべきです。

 先ほど日経新聞社でランチセッションをさせていただいて、そのときに女性の雇用についてお話してきました。参加していた多くの経営者の方は頭を上下に振りながら、「そうだ、そうだ。女性を雇っていくことは必要だ」ということは皆さんご理解いただいているような気はします。

日本の一番の問題は「長時間労働」

――日経ウーマンと申します。2点質問させてください。先ほどのお話と重複するかもしれないですけど、なぜ世界で女性の活躍の場がなかなか広がらないのか。2点めがリーダーを担うことに対して、意外と女性たちも光が当たることに腰が引けることがあると思います。そういった女性たちにリーダーの楽しさとか魅力とかを教えて下さい。

シェリル・サンドバーグ 1つ目のご質問ですが、女性がトップに登りつめること、活躍していくことの難しさなんですけど、これは世界中で難しいことなんですね。先ほど申し上げた3つのこと。女性はこうあるべきだという枠組みを取り除くこと、会社の経営方針を変えること、そして家庭でのバランスを整えること。これは日本でも難しいですけど、米国でも難しいですし、世界中どこでも課題として直面していることです。

 とはいえ、日本の特殊な状況というのも理解しておりまして、特に一番の問題は長時間労働だと思っています。世界の中でも、これだけ労働時間が長い国は珍しいです。

 もう1つ。家庭の中での女性の役割分担ですけど、世界中どこでも女性の方が家庭では多く労働しています。けれども日本の場合、日本の女性が家事・育児に割いている分量は非常に多いです。なのでその点は非常に難しいと思っています。

 そして2つ目のご質問ですが、すごく重要な質問をしてくれました。これは世界中で起こっていることですが、多くは男性に対して、積極的に物事を行うこと、リーダーであることは奨励されるんですけど、女性がリーダーになること、女性が社会の場で前に出ることは、どこでもあまり良くないこととされているんです。

 ただ、女性のリーダーが増えれば、社会がそれに慣れていって、皆が慣れていくにあたって、「私もできるかも」と思う女性が増えていくと思うんです。

 『LEAN IN』を書いた1つの理由でもあるんですが、私の娘が4歳になったときに、7月4日のプレゼンツデイというのがありまして、歴代の大統領の歌というのがあって、それを聴かせたんです。そしたら「ねえママ、なんでみんな男の子なの?」って聞くんです。ただドイツだと状況は逆で、ドイツに住んでいる友人がいるんですけど、その息子さんは、女性首相の国なので「男でも首相ってなれるのかな?」っていう質問をしているらしいんです。

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