Suica利用履歴販売、JR東は「個人情報に当たらない」との見解ビッグデータとプライバシー(2/2 ページ)

» 2013年07月19日 22時22分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]
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本当に個人を特定できないと言えるのか

 今回の報道に対する反応を見ていると、事前の許可を取っていないことを批判する以上に多いのが「(よく分からないけど)気持ち悪い」「個人を特定されそう」という拒否反応だ。JR東日本の見解では「匿名化されており、個人情報ではない」となっているものの、本当に個人を特定できないデータと言えるのだろうか?

 例えば、利用者が少ない駅で頻繁に乗り降りしていたり、定期券を持っていたりすれば、性別と年齢が分かれば個人を特定できる可能性は高い。また、1回限りのきっぷとは違い、Suicaは継続的な乗降履歴を持っている。たとえ氏名は書いていなくても、特定の個人を識別できるかもしれない。個人情報保護法に定める「個人情報」ではなくても、プライバシーの保護という観点から考えると、保護されるべきパーソナルデータと判断される可能性は高い。

「気持ち悪い」と感じた場合、ユーザーにできることは?

 JR東日本では、今後、日立以外の企業に対してもデータの提供を行っていく可能性があるという。自分のICカードのデータを販売されたくないと考えるユーザーにできることは、紙のきっぷを使う、PASMOなど相互利用が可能な他社のICカードを使う(PASMOのデータが将来販売されない保証はないが)くらいしかなさそうだ。

2013年3月からは、Suica、Kitaca、PASMO、manaca、TOICA、PiTaPa、ICOCA、はやかけん、nimoca、SUGOCAと全国のIC乗車券の相互利用が可能になっている
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