なぜサラリーマンは、お金持ちになるのが難しいのでしょうか。答えは単純です。「サラリーマンのお金の考え方」と「資産家のお金の考え方」が根本的にまったく異なるからです。
サラリーマンが「収入を増やしたい」と思ったときは、「もっと自分のスキルや実力を上げてキャリアアップしよう」と考えます。一方、資産家や事業家は「もっと収入を増やすために儲かる商売を考えよう、効果的な投資をしよう」と考えます。
サラリーマンを見ていて感じるのは、みなさん勉強が大好きだということです。英語や中国語などの語学勉強に励む人、会計士や弁護士などの資格試験を目指す人、MBA(経営学修士)やファイナンスなどの大学院で学歴アップを目指す人など、何かを勉強して目に見える分かりやすい目標(資格、学歴など)を目指す人が多いように感じます。確かに、「勉強して実力をつけてキャリアアップを目指す」というのも、向上心が高くすばらしいことです。
しかし、この発想には、1つ重大な欠陥があります。それは「自分が働かないかぎり、『給料の川』から水が流れてこない」という点です。
私は証券業界にいたので、知り合いの中にも年収が数千万円という人が何人かいました。そのほとんどが外資系の証券会社や銀行で働いていました。ただ、そばで見ていると、かなりの長時間労働を余儀なくされている状態でした。
「キャリアアップで収入を増やす」という発想の致命的な欠陥は、「自分が働けなくなったときに、収入が入ってこなくなる」ことと、「1日24時間以上は働けないので、収入に上限がある」という点です。
一方で資産家は、収入を増やすために「ビジネスをつくろう、よい投資先を見つけよう」と考えます。
この場合、ビジネスを、あるいは優良な投資先を持てば持つほど「不労所得の川」は累積的に増えていき、ダムに入る収入は自然と増加していきます。そして一度、川の流れができてしまうと、たいていの場合は何もしなくても順調にお金が流れ続けていきます。
自分自身が働かなくてもお金が入ってくるので、仕事に縛られることはありませんし、収入の上限もありません。
私のまわりの投資家や事業家には、年収が数千万〜数億円の人もいます。毎日仕事に忙しい人もいますが、「自分の好きな仕事はするが、それ以外はほとんど働いていない」という方がたくさんいます。
彼らを見ていて感じるのは「好きな生き方をしている」ということです。お金も時間もあるので、子どもの教育のために海外で暮らしたり、1週間の半分は自分の趣味や好きなことに費やしたり、常に海外のあちこちを旅行したり……というように、それぞれが望むライフスタイルを実現しています。
私は会社員をしていたときから、自分が目指すべきなのは「サラリーマンのお金の考え方」ではなく、「資産家のお金の考え方」だと感じていました。
では、なぜサラリーマンは「サラリーマンのお金の考え方」しかできず、「資産家のお金の考え方」はできないのでしょうか。
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