本連載は、伊藤邦生著『年収1000万円の貧乏人 年収300万円のお金持ち』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
――年収1000万円。多くの人があこがれる数字です。「1000万円もあれば、あんなこともこんなこともできる」そんな夢を見る人もいるでしょう。しかし、1000万円稼いでも幸せなお金持ちになれるとは限りません。実際「お金の奴隷」となって、不幸な人生を送る人もいます。
一方、年収300万円と聞くとどうでしょうか? 「これでは満足できない」と言う人もいるでしょう。しかし年収300万円でも法則さえ知っていれば幸せなお金持ちになれます。年収が少なくても「お金の主人」になれれば、どんどんお金は貯まっていくのです。
年収がいくら高くても「お金の奴隷」に甘んじる人もいれば、年収300万円でも確実にお金持ちに、そして幸せになる人もいるのです。
その差を分けるものは何か? 本書では、お金持ちになる2つの法則をメインに、6つのステージに分けて働く理由やお金の流れなどを具体的に紹介します。
私自身、サラリーマンとして11年間働き、今は経営者という立場で働いています。今振り返って感じるのは「サラリーマンはリスクを取ることを恐れる人種だ」ということです。
「リスクを取る」というのは、何かを失うことを覚悟して、それ以上のリターンを追求する行為です。「何かを失う」というのは誰もがイヤなことです。だから、リスクを取るのを避けたい気持ちは分かります。
ただ、リスクとリターンの割合が釣り合っていないケースもよくありました。「その程度のリスクしかないのに、なんでそんなに恐れているのだろう」と思うことがたくさんあったのです。
私がサラリーマンをしていたころの話です。私が勤めていた証券会社の支店には、金遣いが荒くぜいたく好きな人が多かったのですが、本社では逆にほとんどお金を使わずに、貯金をきっちりしているという「お金持ちになる法則 その1」がしっかり実践できている人もたくさんいました。これは、本社と支店の文化の違いだと思います。
私が入社してから6年間働いていた本社のトレーディング部の先輩と喫茶店で話をしていると、先輩が「数千万円を貯めて、現金で郊外に一軒家を購入した」と言い出しました。
「開いた口がふさがらない」とはまさにこのことでした。家を買うには、銀行のローンを利用するのが一般的です。大手金融機関に勤務しているので、金利もうまく交渉すれば1%くらいで住宅ローンを借りることができるはずです。それなのに、お金を借りずに、手元の現金をすべてマイホーム購入に充てるとは……。
これは見方を変えれば「自分の資産を年間1%以上の利回りで運用する自信がない」ということを表しています。もし「年間1%以上の利回りで運用できる」という自信があれば、手元の現金で自宅を購入せずに1%の金利で銀行から住宅ローンを借りればいいのです。そして、自分のお金は自分で運用するのです。1%以上で運用できていれば、1%の銀行の利息はそこから支払い、残ったお金は自分の運用益となります。
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