1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)、『血の轍』(幻冬舎)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo
先週、ネット系のニュースメディアを中心にある話題が沸騰した。宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』の劇中、頻繁に喫煙シーンが登場することに対し、日本禁煙学会が異例の要望書を出したからだ。結論から言わせてもらおう。私も作家の端くれである。創作活動にケチを付けられるのはたまらない。創り手の領分を侵さないでほしいと声高に主張したい。
一連の騒動に関しては、このような記事がたくさん掲載されているので、ご参照いただきたい(参照リンク)。
禁煙学会は、制作そのものにケチをつけていないと断りを入れている。また、上映禁止を求めているわけではないとその要望書の中で丁寧に触れている。
だが、禁煙を啓蒙するのが主要な任務とはいえ、この要望書はさすがにやりすぎではないか、と思うのだ。
私は、ミステリーを書くことを生業(なりわい)としている。当然のことながら、作中では頻繁に殺人事件が登場するほか、主要なキャラクターの中に何人もヘビースモーカーやチェーンスモーカーが出てくる。
私自身も喫煙者だ。もちろん、体に悪いことは百も承知で、やめるつもりは一切ない。だが、昨今の嫌煙事情を勘案し、仕事場以外では、周囲に相当気を遣って煙草を吸っている。
しかし、である。映画や小説、漫画の作品の中で、一々これらを気にしていたら、創作活動なんてできない、というのが正直な気持ちだ。
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