TOEIC受験の第一人者に聞く――社会人にとってのTOEICの意義とは?ヒロ前田氏に聞くTOEIC対策(3/4 ページ)

» 2013年09月06日 08時00分 公開
[まつもとあつし,Business Media 誠]
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一定のスコアを目指したい人はどうすればいい?

まつもと 転職や昇格のために一定のスコアを目指したいと言う人へのアドバイスは?

前田 スコアが示されている以上、同じようにそこを目指してくるライバルを意識しなくてはなりません。彼らから頭1つ抜きんでていることを示さねばなりませんから、まさに示されたスコアがゴールではない、ということになります。一層高い点を取るか、あるいはTOEICでは測れない「運用能力の高さ」を示すためにSWのスコアも示す、といった具合に。申込書類を日英両方で提出するというワザもあります。これは目立ちますよ(笑)。とにかく求められていないことでも、良い意味でのサプライズを与えることが大切です。

まつもと 点数を上げて抜きんでたい、という場合にはどういった学習方法が有効ですか?

前田 常に言っているのは「問題集を丁寧に使う」ということですね。TOEICの問題集は本当に百花繚乱(りょうらん)の状況ですが、1度TOEICを受験して自分の弱点を知れば、何を伸ばせば良いかは明確であるはず。どれを選べば良いか迷うことはないでしょう。

 そして自分が取り組むべき1冊に出会ったら、2回でも3回でもそこから繰り返し学ぶ。「一度解いたら問題だから、2回目以降答えは分かっているじゃないか」と思うかもしれません。でもそうじゃないんです。1回だけではほとんどの人はやったと思っていることすら身に付いていないのですから。

 例えば穴埋め問題であれば、空欄になっていないところにある単語を知っているかどうか確認する。問題集の中で、繰り返し学んでも自分がどうも不得手だという場所があれば、そこは別の問題集から類似の問題や解説を探してきて学んでみる。あらゆる角度からその問題を解けるようになったのであれば、授業をするように、他人に解説してみる、といった具合に。本から得られる100のものを余すところなく得るために。このメソッドは英語の問題集だけではなく、ビジネス書なんかでも応用できるはずですよ。

 その上で、本番前にはテストと同じ時間配分で模試を解きリハーサルをしておく。これは外さない方が良いと思いますね。スポーツの練習試合と同じですね。TOEICは体力勝負の部分もありますから(笑)。

まつもと 確かにTOEICは時間配分が難しいですよね。私も時間が足りなくて頭が真っ白になったことがあります。サッカーのように時間帯で求められる動きのようなワザがあるように思えます。

前田 時間配分は大切ですからね。読解問題などは、難解な文章を後回しにするか、思い切って捨てるといったテクニックもあります。これは裏技というものではなく、自分が本来持っている力を出し切るための1つの戦略といえるものです。

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