就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントにつらいです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
ここ最近、「バイトテロ」なる言葉がネット上を席巻していました。バイト先で悪ふざけをして、それを写真に収め、ソーシャルネットワーク上にアップし、炎上する……。一連の騒ぎを見ていて思い出したのが、以前大阪のある場所にあった、古い旅館のことです。その旅館は戦後すぐに建った姿のままで、大規模な改修もなく営業していたので、その古さが醸し出す異様な雰囲気が、周囲の目をひいていました。
興味本位で宿泊してみると、設備などが古すぎるという以外は至って普通……と思いきや、床の間に置かれた「宿泊者へのお願い」という紙を見て驚いてしまいました。酔って高歌放吟しないこと、階上から外へ放尿しないことなど、事細かに書かれているのです。しかも手書きではなく、活字で。ビックリして印刷された日付を見たら、昭和二十八年とありました。ちょうど今から60年前です。その当時の20歳、それこそ今バイトテロをしている連中と同じ年ごろの若者は、今なら80歳前後。そういう意味では「いつの時代も人様に迷惑をかける輩は一定数いる」ということなのでしょう。
こういう話を聞くと「迷惑をかける相手の気持ちになって考えろ」という台詞がどこからともなく聞こえてきます。お客様の立場になってみれば、不衛生ないたずらをする飲食店で食事をする気にはならないだろう? とか、バイトがそういう悪ふざけをTwitterなどへ投稿すれば店がどうなるのか想像したか? とか、少し考えてみれば分かるはず、だと思ってしまうのですが、就活生や若手社会人たちの相談に乗っていると、どうやら「考えても分からない」人たちが存在するということに気づかされるのです。
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