就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントにつらいです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
先週は新・ぶら下がり社員(参照記事)と同時に「新・モーレツ社員」も出現しているという話をしました。今週はその続きです。
→「なぜイマドキの20代は『新・ぶら下がり社員 or 新・モーレツ社員』になってしまうのか? 」(参照記事)
新橋のゲームセンターや、赤坂のマッサージ店、池袋の家電量販店、新宿のコーヒーチェーン……東京のあちこちの街は、平日の昼間からいわゆる「サラリーマン」で大混雑です。バーチャルな世界も同様に、TwitterやFacebookといったソーシャルネットワークサービスは、平日の就業時間内であっても、サラリーマンたちの愚痴や近況報告で大にぎわいです。
そんな行動を見ていると、彼らの多くは「辞めないけど、頑張りもしない」人たちである可能性が大きい(=当然、そうじゃないという人もいるのは承知していますよ!)。企業にとっては、まさに「ぶら下がっている」従業員であることは否めません。ただ、その人たちが少数派なのかというと、実はそうでもないし、新しいタイプかというと、それも少し違う。どの世代であっても、企業で働く大多数の人は「言われたことを粛々とやることが『仕事』であり、それが『宮仕えの身』だよ」と自嘲気味に納得しているフシがあります。
前回提示した「仕事」と「人生」の関係についての図でいうところの、20歳代の「人生という円の中に、ごく小さく仕事の円が含まれる」という構図は、企業から見ればまさに「ぶら下がっている」状態なのかもしれません。新・ぶら下がり社員ではなく、従来型のそれです。ですが、それはあくまで「企業にとって」の話です。生き方として、仕事以外に重きを置き、働くことはそれ以外のことを実現するための資金を得る、いわば支えである、という“個人”の考え方“も”あって良いはずなのですが、なかなか許してはもらえないのが現状です。
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