元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
みなさんは2001年のことを覚えていますか? 21世紀が始まった年、WikipediaによるとWikipedia(英語版)がスタートした年だそうです。東京ディズニーシーがオープンし、忘れがたい米国同時多発テロが起きた年。
そんな年に登場した「Windows XP」が、最近、大きな話題となっています。
「Microsoft、Windows XP継続利用の危険性を改めて警告」という記事が出ていました。Windows XPの生みの親、マイクロソフトからのリポートです。
Windows XPが発売されて今年ではや12年。その「延長サポート」が2014年4月9日(日本時間)で終了することで、自治体や中小企業は対応に迫られています。IT系ニュースではずいぶん前から話題になっていたのですが、ここ最近は一般のニュースとしても取りあげられ、何となく聞いたことがあるという方も多いでしょう。マイクロソフトはかなり前からサポート期間終了の通知をたびたび行っており、新OSへの移行を促していましたが、いまだ多くのXPマシンが残っているようです。
ところでサポートが切れるといったい何が起きるのでしょうか。延長サポート期間ではセキュリティ関連更新プログラムのみが提供されます(ちなみにWindows Vistaは2017年4月11日まで延長サポート中)。よって、この期間が過ぎてしまうと、もし何らかのセキュリティ上の欠陥が発見されたとしても、アップデートプログラムは提供されません。
企業の中には「それでもXPでしか動かないプログラムが残っている。何とかならないか」というところもあるでしょう。この日を境にOSが起動しなくなるというようなことはありませんが、人間に例えると「保険がいっさい効かない状態で働く」といったところでしょうか。万が一、外部から病気をもらってきたとしても、その代償は高く付くわけです。
しかも、XPというのは誕生から“12年も”たっています。この業界はドッグイヤー、犬の一生に例えられており、人間界の12年は犬にとっては7倍の84歳。もうそろそろ引退させるべき年です。
12年前と今とでは、インターネットにおける攻撃も大きく進化してしまいました。いくらウイルス対策ソフトがあるとはいえ、ベースになるOSの防御力は最新のWindows 8.1とは比べものになりません。セキュリティを専門に扱うエフセキュアのブログ記事「いかにWindows XPが攻撃しやすいか(参照リンク)」では、最新のOSではどれだけ攻撃が難しくなったかが説明されています。
もちろん、いっさいインターネットにつながないという余生の過ごし方はアリだと思います。ただ、無保険な状態で働かせているということを覚えておきましょう。いくら知人に“PC博士”がいたとしても、こればっかりは対応できないですよ。
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