インタビュー
» 2013年11月20日 08時02分 公開

仕事をしたら“コーヒー”ができた(後編):なぜコーヒーを“手渡す”のか? ローソンがセルフ式を捨てた理由 (2/5)

[土肥義則,Business Media 誠]
マチカフェを担当している吉澤明男さん

吉澤: 当時の私はコーヒーの知識がほとんどなかったので、なにをしたらいいのか分かりませんでした。とりあえず、コーヒーを実験的に販売しているお店を回ることにしました。そこでどんな問題が起きているのか。課題を聞きたかったので「とりあえず、交通費だけください」とお願いしました。

 そして“問題洗い出しの旅”に出るのですが、そこでビジネスモデルの原点を見つけることができました。「岡山の赤磐吉井店でコーヒーが売れている」という情報を聞いたので、なぜ売れているのかをリサーチしに行きました。そこの店長さんは気さくで、接客が素晴らしいんですよ。例えば、常連のお客さまが駐車場にクルマを停めるところを見ると、コーヒーを注ぎ始めるんですよ。もちろん、まだ注文は受けていません。なぜそんなことができるのか? 両者の間で信頼関係ができているからなんですよね。

 コンビニといえば「合理性ばかり追求している」といったイメージがあるかもしれませんが、そこには古き良き昭和の風景がありました。常習性をかもしだす接客と、常習性が強いコーヒーを結びつけることはできないのか。赤磐吉井店をリサーチしてみて、ふとアイデアが浮かんだんですよ。これまでのビジネスモデルではなく、「接客(ホスピタリティ)」を武器にすることはできないのかと。

土肥: うーん、でも「コンビニの店員に、自分の顔を覚えられるのはイヤ。過剰な接客なんていらないよ」という人も多いのでは。

吉澤: もちろんそういう人もいらしゃるでしょう。ただコンビニというのは資金が同じであれば、同じような店舗、同じような商品になっていくでしょう。そうした時代がやって来たとき、どうすれば他社との差別化ができると思いますか? やはり「人」なんですよね。近くに競合店があっても、同じ商品を扱っていても、最終的には「この人から買いたい」となるのではないでしょうか。お客さまにとって、最適な接客とは何か。とことん研究しました。

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