日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。
ソチ五輪の開幕へカウントダウンが始まった。やはり何といっても最大の注目は女子フィギュアスケート。日本代表メンバー3人の中でも特に今季限りでの現役引退を決めている浅田真央(中京大)には、銀メダルを手に悔し涙を流した前回のバンクーバー五輪のリベンジを晴らす期待がかけられている。キム・ヨナ(韓国)とのライバル対決を制して悲願の金メダルに輝き、有終の美を飾ってほしい。日本の多くの人々が、そう願っているはずだ。
その一方で夢破れた選手もいる。安藤美姫(新横浜プリンスクラブ)だ。長年に渡って日本女子フィギュア界をけん引してきた元女王は2013年12月の全日本選手権で総合7位に終わり、代表の座を射止められずに競技生活へ別れを告げた。2006年のトリノ五輪と2010年のバンクーバー五輪に出場し、2007年と2011年には世界選手権を制覇。輝かしい経歴とともに「ミキティ」の愛称で親しまれた彼女は、最後の最後まで自分らしさを貫いた。
世間を驚かせたのは、「報道ステーション」(テレビ朝日)にインタビュー出演した2013年7月1日のこと。突然、今季限りでの引退と同年4月に女児を出産していたことを明かした。2011年の世界選手権後に長くコーチを務めていたニコライ・モロゾフ氏に契約を解消されて以降、ここまで2シーズンを欠場。そのハンディがありながらもママとしてソチ五輪を目指し、17年間の競技生活のラストステージとしたい意向を同番組上で公言した。
この安藤の重大決意を当時、一部のフィギュア関係者や日本スケート連盟関係者たちが「五輪に出るなんて可能性はゼロに近い」「どうせ満足な演技もできるわけがない」などとせせら笑った。
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