メーカーの予測を上回る勢いで売れ、やむなく販売停止に追い込まれるケースもある。例えば、赤城乳業は2012年9月に「ガリガリ君リッチ コーンポッタージュ」を販売したものの、わずか数日で“完売”。商品の供給が間に合わなくなったので、同社は「お詫び」するハメになってしまった。
しかし不思議なことに供給が安定し、販売が再開されても、売り上げがアップするケースは少ない。つまり、いかに初動が大切かを店舗は身をもって知っているので、供給ストップの案内が来るとガッカリするのだ。
先日もこんなことがあった。テレビ番組で、ヨーグルトの効能についてある商品が紹介されていたので、ここぞとばかりに発注数を増やした。ただ翌日には本部から「発注数量の制限」がかかったので、手持ちのタマは少しだけ。あっという間に在庫がなくなったので、連日お客さんから「◯◯ヨーグルトないの?」と質問攻めに遭っているのだ。
ヨーグルトの場合はいわゆる“機会損失”で、まだこれはマシ。以前、ヒットした商品とよーく似たモノが発売されたとき、「これは絶対に売れる!!」と確信したので、保管スペースに溢れるほど発注。しかし結果は“惨敗”……。ほとんど売れなかったので、泣く泣く大量廃棄したのだ。
そんなリスクを負ってでも、なぜヒット商品(またはヒットしそうな商品)を早く確保するかというと、商圏を広げるチャンスがあるから。近くにある競合店はもちろんのこと、遠くにある競合店が確保していなかった場合、遠方からの来店が期待できるので、店長はギャンブル的な発注から逃れることができないのだ。
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