経費には水道光熱費、通信費、旅費交通費、接待交際費などさまざまな科目がある。どんな経費も増えれば納税額は減るが、役に立たない出費はただの無駄遣いだ。事業に有効なものにお金を使って、経費を増やすことを考えよう。
アフィリエイト広告(広告宣伝費)でWebサイトへの誘導を促進するのも将来の売り上げにつながるかもしれない。遠く離れていてる取引先にあいさつに行く(旅費交通費)のも有効だろう。そこで会食(接待交際費)すると、商売の新しいヒントが見つかるかもしれない。
会社(法人)の交際費は経費にするのに制限があります(交際費の損金不算入)。一方で、個人事業者にはそのような制限がなく、交際費として計上した金額が全額経費となります。
しかし、個人事業者の場合、税務調査が入った際に「この交際費は私的な支出ではないか?」という視点での追及が、会社の調査よりも厳しい傾向にあるようです。したがって、帳簿などに交際接待の相手方や目的などをしっかり記載しておくことを心がけましょう。
もうかっている=忙しいと遠出して飲んでいる時間的ゆとりがないこともあるだろう。そんなときに手っ取り早いのは消耗品の購入だ。
ここでいう消耗品とは10万円未満または使用可能期間が1年未満の少額減価償却資産。簡単にいえば10万円未満の備品が対象となる。仕事で使うPCを新調したり、ミラーレス一眼カメラを買ったり、事務機器を買い替えたりすれば経費を増やせる。税率が高ければ翌年の確定申告後に納める税金がグッと減るので半年、1年後にキャッシュバックされると思えばいいだろう。
何が経費になるかはグレーだ。事業に役に立つか否かが分かれ目となるので、よく考えて経費を積み上げてほしい。マンガやCD、海外旅行、キャバクラ代などさまざまな領収書が経費で落とせるかどうかを紹介している「知っておきたい領収書の常識」がヒントになりそうだ。
2013年末「経費は年末に増やせ」という記事を書いた。毎日あるいは毎月キッチリ記帳している人は常にもうかり具合を把握できるが、1年分の領収書をまとめて記帳するような人は年末が近付かないと課税所得を把握できない。年が明けて確定申告が目前に迫ってからもうかっていたことに気付いても時すでに遅し。節税を考えるなら年末に記帳して、課税所得を確認して、もうかっていたら買い物三昧、経費は年末に増やそう。
と言いつつ、筆者はここ数年は年末に記帳などはしていなかった。過去の経験から売り上げと通帳残高を見れば、おおよそのもうかり具合を把握できたからだ。2013年は新たにオフィスを借りたので今までとは経費関係が大きく異なったし、売り上げも増えていたので大みそか直前に2日かけて記帳した。
「何を買おうかな……」と2日間妄想をしながら入力を続けたが、結果をみてガッカリ。売り上げは増えたが、オフィスの家賃、水道光熱費、ネット回線……増えた経費も多く、前年より課税所得は減っていた。不幸中の幸いは、もうかっていると勘違いして大きな出費をしなかったことと確定申告の準備が早めに完了したことだ。
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