香港で摘発された「ネット企業」が、日本ではセーフな理由窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

» 2014年02月18日 08時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]
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詐欺の“ネタ”と“舞台装置”

 被害者も加害者も日本人同士なのだから、司法手続きもサクサク進みそうだと思うかもしれないが、そうではない。X氏はフィリピンで会社を設立し、地元の大手デベロッパーも巻き込んだ仕掛けをつくっている。つまり、詐欺の“ネタ”と“舞台装置”はフィリピンなのだ。

 こうなると日本の検察はまず腰がひける。たたでさえ、詐欺や横領は手間がかかるので敬遠するところを、海外の証人を連れてきて公判を維持するなど面倒くさくてやってられないからだ。

 2013年11月、香港の「インターラッシュ」が摘発されて5人の逮捕者が出たが、今のところ日本では話題にものぼらない。

 検事が食わないネタは、警察も手を出さない。警察が動かないものは、マスコミも報じない。マスコミが騒がなければ、被害の声は埋もれる。

 こういう“仕組み”に目をつける連中がいる。これからの裏ビジネスにかけ合わされるのは、「オフショア」なのかもしれない。

警察が動かなければ、マスコミもなかなか報じない(写真はイメージです)
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