税制改正によって2015年から相続税が増税するが、家族で財産相続についてどのくらい話し合っているのだろうか。タイムカレントが、財産相続の相談を受ける税理士に聞いたところ、55%が「あまり話し合いをしていないケースが多い」と答え、5%が「まったく話し合いをしていないケースが多い」と答えた。
財産相続でトラブルになってしまうケースも多いという。相続人同士がトラブルになったケースを経験したことがある税理士は約8割に上った。その理由は、「相続対象となる財産が不動産のみなど、分割が困難な状態にある」がトップで51.3%、「被相続人の遺言書がない」(46.3%)といったもののほか、「被相続人の遺言書に記載されている、相続人の希望や分配比率が法律で定められた内容と乖離(かいり)している」(26.3%)ことも。タイムカレントは「被相続人の財産相続への意識が低いことも、トラブルを起こす要因となる様子がうかがえる」と推察する。
こうしたトラブルを避けるためにはどうすればいいのだろうか。税理士の意見で最も多かったのは「財産相続方法を盛り込んだ遺言書を作成する」こと(65.0%)だった。このほか、「被相続人が健康なうちに相続人達と話し合いの場を持つ」こと(64.0%)や、「生前贈与を行う」こと(56.0%)、「妻や子供といった相続人を保険金受取人とした生命保険に加入する」こと(47.0%)など、早い段階からの準備が必要なことがうかがえる。
相続人の財産管理について不安に思ったことがある税理士は約8割にのぼり、相続人に高齢者が多いこと(うち46.9%)や、相続人の財産管理意識が低いこと(うち43.2%)など、相続人の意識や年齢が理由に挙がった。税理士法人チェスターの福留正明氏は、これらの調査結果について「充実した余生を送り、さらに、相続人へ財産を遺すという両者を実現するためには、計画的な財産管理が必須。大手信託銀行などが展開している、プレ相続商品などの活用も有効だ」とコメントした。
本調査は財産相続の相談を受けた経験のある税理士100人に対して、インターネットで実施した。調査期間は2014年2月13日〜14日。
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