部下をうまく叱れない。そんな40代管理職は当然いらないサカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)

» 2014年04月21日 08時00分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

部下を指導できない上司は、組織には必要ないが……

あなたは部下を指導できていますか?(写真はイメージです)

 40代といえば、企業の組織の中では中核を担う存在です。売上を上げながら、後輩や部下も育てなければならない。組織の「期待」(という名のやってほしいこと)は山積みになっています。

 しかし今の40代が、その期待に応えられるほどの経験を積んだり、組織から(あるいは自主的に)教育を受けたりしたのかというと、疑問が残ります。

 そもそも管理職になったといっても、部下を管理するメソッドをキチンと教わるプログラムを施された、という人は、それほど多くない。管理職になった、もしくはなる直前に、簡単な心構えや、社内での決裁などの仕組み、せいぜいコンプライアンス的な研修が、座学で少しだけ行われる程度で「ハイ、課長でござい」という企業が、意外に少なくないのです。

 「年齢に応じて、必要な経験をする。年次が上がれば、人を育てたり、管理をしたり、そういうことはできるようになるとみんな思っていたけれど……幻想だったね、そんなことは」

 これは50代半ば、ある大企業のリタイア寸前になっている、窓際管理職のコメントです。似たような台詞は、皆さんも口にしたことがあると思います。

 「自分が20代の時は、40代って大人だな、あんな風になれるのかなと心配だったけど、自分がいざその年齢になってみると、まったく大人でもないし、何もできていないことに愕然とします」

 歳を取っている、経験を多少積んだ、でも何ができるようになっているのかが分からない――残念なことに、こういう40代はとても多いのです。

あなたは、求められていることをキチンと果たしているか?

 組織は、組織に属している人に、組織に必要な役割を与え、そして、最大限の努力をして、その役割を遂行してくれることを期待します。が、役割に必要な能力を、その役割にあてがわれた人が持っている、とは限りません。

 当たり前のことを書いているので「なにを今さら、そんなことをいっているのだ」とお叱りを受けそうですが、今まではそんなことも考えなくても良かった時代が、長く続いていました。歳を取ればできるようになる、という幻想のようなものです。年功序列のよりどころになっていた考え方、といってもいいかもしれません。

 実は前回コラムの「組織内できちんと仕事をしてきたのに切り捨て対象」というタイトルに対して、SNSなどでは「組織に言われたことだけを考えなしにやっているから、切り捨てられるのだ。そんなことも分からないのか」という反応がチラホラありました。

 しかし、多くの人は「組織が要求している役割が担えていない」かつ「自分なりにできることを精一杯やることが仕事だと思っている」から、切り捨てられてしまうのです。30代ならまだ間に合う。しかし40代で、組織から見て「できたらお引き取りいただけないか」となってしまう人の多くは、自分のできることを「自分で決めている」ので、なかなか改善が難しい。

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