日本代表の試合を見てから、出社してもいいよ――なんともウラヤマシイ会社この会社「いいね!」(1/2 ページ)

» 2014年06月18日 00時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 サッカーのワールドカップをテレビで観戦して、寝不足……。応援しているチームが試合をしているのに、会社に行かなければいけない。「うーん、仕事に集中できないなあ」という人も多いのでは。

 寝不足なのに、無理をして仕事。試合を見たいのに、我慢して仕事。そんな無理・我慢をするなら、いっそのこと「(会社を)休んでもいいよ」「(時間を)ズラしてもいいよ」という会社が出てきた。

 アフィリエイトサービスなどを手掛ける「もしも」は、日本代表チームを応援すために「ニッポン応援休暇」を導入。日本戦の試合に限定して、キックオフが午前7時以降(日本時間)の場合、社員は午前中休めるというものだ。

 ということは、ギリシャと対戦する20日(金)の午前中は、誰も出社しない? 「基本的にはそうなのですが、電話番として私は出社しなければいけないんです……」と語るのは、広報の小野彩子さん。それはそれはカワイソウ……と思っていたら、「でも大丈夫。私は“にわかファン”なので、ルールもよく分からないんです(苦笑)」とのこと。

 そもそもどういったきっかけで、このような休暇制度を導入したのだろうか。同社のリリースには「社員が自宅で応援しやすい環境を整えるとともに、社員の活力を創出し業務パフォーマンスを向上させることを目的としています」と書かれている。なるほど。いいことを言うなあ、と思っていたら「以前からサッカー日本代表の試合があるときに、オフィスのテレビで観戦している社員がいたんですよ。その熱狂的な社員たちが『ワールドカップの試合が見たいので、その日は会社を休みにしていただけませんか?』と社長に申し入れしたんですよ」(小野さん)。

 直談判した結果、社長は快諾。しかも、社長は「サッカーファンではない」にもかかわらずにだ。

 そんな太っ腹な社長なので、他にもいろいろな試みをしている。そのひとつが、「野菜ジュース制度」。オフィスに野菜ジュース専用の冷蔵庫があって、社員は1日1本、無料で飲むことができるのだ。社員の平均年齢は20代後半。独身男性が多いので、不規則な生活を送りがち。そんな彼らの体を心配して、野菜ジュース飲み放題としたわけだ。また、社員からは「黒ウーロン茶も飲みたい」「春雨スープも飲みたい」という声があって、今ではそれらも無料で提供している。

 体にも財布にも優しい会社である。

もしものオフィスにあるホワイトボードには、サッカー・ワールドカップの星取表が書かれている

株式会社もしも

 2006年設立のITベンチャー。個人が在庫を持つことなく、無料でネットショップを開設できるドロップシッピングサービスの提供を日本で初めて開始した。現在40万人以上の人に利用されている「もしもドロップシッピング」をはじめ、商品在庫を持たずに楽天市場などに出店できる「TopSeller」、個人サイトを利用して広告収入を得ることのできる「もしもアフィリエイト」など、個人が持つ「もしも、こんなことができたら」という思いの実現を支援するサービスを展開している。 株式会社もしもは、新しい「生き方」「働き方」「自己実現」を目指せる社会の実現に取り組んでいる。


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