コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来数字のオモテとウラを学ぶコラム(3/5 ページ)

» 2014年07月11日 08時00分 公開
[眞山徳人,Business Media 誠]

じゃあ、どうする?

 さて、ここで考えていただきたい。そういう未来がすぐやって来るとして、あなたがコンビニチェーンの社長なら、どんな行動に出ますか?

 とるべき方向性は2つあると思います。1つ目は「小さなサイクルに磨きをかける」。そ2つ目は「大きなサイクルに力を入れて、飽和になる前にできるだけ店舗数を確保しておく」。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの2つの策こそが、今まさにコンビニで起こっているのです。

 1つ目の小さなサイクルに磨きをかけるのは、PB商品やコンビニコーヒーといった新商品の開発が該当します。2つ目の店舗数の確保について、セブン-イレブンもファミリーマートも力を入れていますが、詳しくみると違いがあります。

 セブン-イレブンの出店数は1万6000店を超えていますが、まだ出店していないエリアもあります。例えば、青森、鳥取、高知、沖縄の4県。この4県についてはタイミングをみて出店することが予想されますが、すでに進出している都道府県については「どこに出せばいいの?」という難しい課題があります。

 そして、その課題を考えたときに、「駅ナカ」にたどり着いたのでしょう。確かにJRの駅ナカでは、キヨスクやNEWDAYSといった、JR系列の店舗以外のコンビニは出店していませんでした。以前はこのエリアは完全な「聖域」だったわけですが、セブン-イレブンが持っている商品力やATMなどのサービスを、JRのグループ会社がフランチャイジー(フランチャイズの加盟店のこと)になることで提供できるようになれば、JRにとっても、セブン-イレブンにとっても非常に有益なことに思われます。もちろん、消費者も利便性が向上します。

駅ナカにもコンビニがあって当たり前、という時代がやって来そうだ(写真はイメージです)

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