以前、こちらの連載記事「セブン&アイが、過去最高益を計上した理由(関連記事)」で、コンビニのビジネスモデルには2つのサイクルがあるということを書きました。
小さなサイクル:コンビニの店舗で生まれるサイクル
「商品を仕入れる→売る」の繰り返し。商品は新聞の朝刊や焼きたてパンなど数時間で売れるモノから、書籍など数カ月陳列できるモノまでありますが、全体として非常に短いサイクルが繰り返されています。
大きなサイクル:コンビニの店舗そのものを増減させるサイクル
「出店する→撤退する」の繰り返し。長期的なサイクルであり、半永久的に利益を出せる店舗もあれば、数年程度で撤退を判断せざるを得ないケースも。
冒頭で紹介した通り、セブン-イレブンとファミリーマートは「大きなサイクル」に力を入れていることがうかがえます。コンビニ業界全体で見ても、店舗数はいまだに増加の一途をたどっているのです。
しかしながら、この店舗数の増加がいつまでも続くことはありえません。日本の人口が頭打ちになっている以上、コンビニを使用する人の数もこれ以上増えないわけですから、どこかで必ず「飽和点」がやってきます。
従って、大きなサイクルでもうける……つまり、店舗を次々と増やしていく形で増収増益を目指すパターンというのは、いずれ終焉(しゅうえん)を向かえ、大きなサイクルは店舗のメンテナンスやリニューアルなど、既存店舗をベースにしたサイクルがメインになってくるだろうと思われます。
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