コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来数字のオモテとウラを学ぶコラム(4/5 ページ)

» 2014年07月11日 08時00分 公開
[眞山徳人,Business Media 誠]

 一方、ファミリーマートの出店計画は非常にシンプルで、今までどおりの出店をペースアップしていくというものです。ファミリーマートの店舗数はセブン-イレブンやローソンと比べると見劣りしているので、店舗数をどんどん増やそうという方向性自体は、理解できます。

 出店以外にも、例えば既存のチェーン店を買収するということも、ファミリーマートにとってはよい方法かもしれません。すでに飽和状態が近づいているのに新しい店を建てるよりは、既存のお店を買い取って看板を架け替えたほうが、投資効率の面で望ましいと考えることもできます。なにより、ファミリーマートは以前にam/pmというコンビニチェーンを買収し、関西圏を中心に「苦手エリア」の補強や、近隣店舗の集約に伴う競争力の強化を図ったことがあり、今後もどこかのコンビニチェーンを買収するかもしれません(もちろんファミリーマートだけでなく、他のチェーンもM&Aについては考えていることでしょう)。

 ちなみに、もうひとつの大手であるローソンは、違った切り口での店舗拡大に取り組んでいます。それは「業態を増やす」ということ。“青のローソン”のほかに、質の高い商品をとりそろえた「ナチュラルローソン」、ワンプライス型の「ローソンストア100」、小型スーパーの「ローソンマート」――。この4つの業態で店舗数を増やすことで、飽和状態にあるコンビニ業界で違いを出そうとしているわけです。

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