コンビニ業界で何が起きているのか セブンとファミマの今、そして未来数字のオモテとウラを学ぶコラム(5/5 ページ)

» 2014年07月11日 08時00分 公開
[眞山徳人,Business Media 誠]
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顧客満足度が勝敗を分ける

 飽和寸前のコンビニ業界では、大手チェーンが「いかにお店を増やすか」という点で、いろいろと知恵を絞っていることがお分かりいただけたかと思います。

 店舗数を増やしていく「大きなサイクル」で増益ができなくなれば、「小さなサイクル」でいかに収益性を高めていくか――ということが勝負の分かれ目になるわけです。だからこそ、最近のコンビニはどこも「ウチのコンビニにしかない商品」の開発に躍起になっているのです。

 しかし、実際にはPB商品のアイテム数は、コンビニで置かれている全ての品物のうち、ごくわずか。だからほとんどの消費者は、「どこのコンビニでも売っているモノ」を買いに、コンビニを訪れていることになります。

 その点で、商品の差別化以外に今から注目しておきたいのが、各コンビニの顧客満足度です。本当の飽和がくれば、「無条件で最寄のコンビニへ」行っていた消費者は、少しずつ「私はこのコンビニで買い物をする」という判断をするようになってきます。

 その軸として、今はPB商品が脚光を浴びていますが、前述の通り、ほとんどが「どのコンビニでも売っているモノ」になっている以上、商品以外の軸、すなわち接客態度やレジでの待ち時間、居心地のよさというような顧客満足度の点で、個々のコンビニの実力が試される時代が、もうすぐそこまで来ている、と私は思っています。

 コンビニ各社の動向を、これからも注目していきましょう。

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