元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。
2014年8月20日、Twitterが「自分がフォローしていない人のツイートや、人気があるツイートもタイムラインに表示する」仕組みに変更しました。これにより、公式アプリを利用する一部のTwitterユーザーのタイムラインには、リツイートだけでなく、フォロワーがお気に入りにしたツイートも流れるようになりました。
Twitterはその目的を「あなたのタイムラインをさらに関連性を高く、興味深いものにすることです」としています。しかし、ITmediaニュースでは、これを「不純物表示」として取り上げ、2万ツイートもされるほどの話題になりました。
ここで2009年5月の記事を紹介します。まだ日本ではTwitterが広まっていなかったころの仕様変更と、その反応についてを伝えるニュースです。「Twitterの設定変更で苦情殺到 見直しへ」という記事では、このようなことが書かれています。
デフォルトでは、ユーザーは自分がフォローしているユーザー同士のリプライを閲覧できるようになっており、オプションで、自分がフォローしているユーザーと、フォローしていないユーザーとのやりとりも読むことができた。
だがTwitterは12日の変更で、このオプションを「混乱をまねきがち」だとして廃止した。廃止の理由について、「自分がフォローしていない人に送られたリプライを表示することで、一方通行でかつ部分的なメッセージを見ることを望む人は多くない」と説明している。
興味深いのは、2009年のときは「タイムラインに(他人へのリプライという)自分に関係のないツイートが表示されない」ことにユーザーが苦情を言っていたのに対し、2014年の今はその逆、「自分に関係ないツイートが表示される」ことに苦情が殺到しているのです。
この違いは、おそらく5年前と今ではTwitterの役割が大きく変わっているからでしょう。この「不純物が表示される」機能はTwitterが提供する公式アプリでしか実装されていないこと、またiOS版アプリでは該当の投稿を長押しすることで非表示にできることから、そこまで大きな問題ではないと思います。
Twitter社としては、Twitterを使うことでより多くの情報に触れてほしいとの思いでこの機能を追加したのでしょう。しかし多くの利用者は「タイムラインはよりパーソナルなものであってほしい」と望んでいるようです。
今回の仕様変更は、「Twitterは情報発信/情報収集のツールとして使うべきであり、発信者も有用な情報を投稿すべき」と、考えることもできます。実際に、筆者が情報収集用として使っているアカウントでは、今回の仕様変更はメリットのほうが大きかったのです。
しかし、かつてのようなTwitterの“ユルさ”を求めたい自分がいるのも確かです。誰にも役に立たないような、とりとめもないつぶやきを書き記し、たまたま自分のIDを知っている知人がそれを見てユルくつながる――そんな「次のサービス」がないのは残念です。そんな古くて新しいサービスがあったらぜひ教えてください。
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