昨今、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)の普及が進んでいる。デロイト トーマツ コンサルティングの調査によると、日本人のタブレット保有率は30%、スマートフォン保有率は56%という。しかし、これは世界の先進国と比較すると低い水準であることが分かった。
同社は米国やドイツ、オーストラリア、中国の保有率も調査しているが、米国は48%、ドイツは41%、オーストラリアは63%、中国は68%(※ただし、中国のサンプルは高所得層に偏っている)となり、日本が一番低い結果となった。同様にスマートフォン、電子書籍リーダー、ストリーミング端末/OTT(Apple TVなど)の保有率も5カ国で最も低い。
また、他国に比べて複数のデバイスを所有するユーザーが少ないという結果も出ている。スマートフォンとタブレット、ノートPCを所有するユーザーは他国では30%を超えるなか、日本は17%にとどまっている。
調査を通じ、デバイス普及の遅れとともに、紙メディアの利用者が多いことも、日本の特徴として浮かび上がってきた。ニュースを知るために使用する手段を聞いたところ、日本では「紙の新聞」が21%を占めたのに対し、米国では6%、ドイツは14%、オーストラリアは8%、中国は4%と日本よりも低かった。
「紙の新聞」の割合が低い他国は、代わりに「オンライン版の新聞」の割合が日本よりも高い。米国とドイツは10%、オーストラリアは14%、中国は17%である一方、日本は4%と他国の半分以下の水準となっている。オンラインの情報収集においては、日本はニュースポータルサイト(YahooニュースやGoogleニュースなど)の利用者が他国に比べて、非常に高いという。
雑誌や書籍においても、日本では紙媒体で読む傾向が強いという。日本人は、雑誌は65%、書籍は74%のユーザーが紙で読んでいるが、米国、イタリア、オーストラリアでは50%程度、中国は25%程度となっている。
他国ではスマートフォン、タブレット、電子書籍端末で読むユーザーが一定数いるのに対し、日本ではスマートデバイスで雑誌や書籍を読むユーザーは少ない。電子書籍リーダーの保有率は約7%程度と他国の半分以下にとどまっている。
調査結果について、同社は「日本のメディア利用に関する成熟度は発展途上。他国と比較すると、日本の消費者にはスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの利活用に対し保守的な傾向が見られるが、若年層を中心に今後活用が進むことが期待される」とコメントしている。
本調査は日本、米国、ドイツ、イタリア、スペイン、ノルウェー、オーストラリア、中国の合計1万7699人を対象にWebアンケートを実施したもの。調査期間は2014年2月から2014年4月まで。
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