「普段と同じ」をさりげなく 東急多摩川線の「キヤノンダイヤ」が見事杉山淳一の時事日想(2/5 ページ)

» 2014年10月31日 08時00分 公開
[杉山淳一Business Media 誠]

2014年夏、東急電鉄の臨時ダイヤの理由は?

 2014年6月20日、東急電鉄が配信したプレスリリースが興味深かった。「東急多摩川線・池上線を夏季臨時ダイヤで運行します」というタイトルで、内容は以下の通り。

  • 7月7日(月)〜9月26日(金)の平日に実施
  • 東急多摩川線は07:00〜7:30に上下とも1本増発
  • 16:00〜17:00に多摩川発蒲田行を1本増発
  • 15:50〜16:50に蒲田発多摩川行を1本増発
  • それにともない、前後時間帯の列車の時刻見直し
  • 池上線は06:30〜7:00雪が谷大塚発蒲田行を1本増発
  • 06:30〜7:00蒲田発雪が谷大塚行を1本増発
東急電鉄のプレスリリース(出典:東急電鉄Webサイト) 東急電鉄のプレスリリース(出典:東急電鉄Webサイト)

 2路線とも朝の通勤ラッシュ時間帯前に1本増発。東急多摩川線は夕方の早い時間帯も増発している。一般紙では取り上げられなかったようだが、鉄道ニュースメディアではこのプレスリリース内容がそのまま報じられた。しかしその理由は詳しく報じられなかった。

 なぜ、こんな時間帯に増発するのだろうか。

 実施期間を見ると、7月から9月である。実施時間帯を見ると、通勤よりは通学の時間帯である。でも、夏休み期間は通学する生徒や学生はむしろ減るだろうから、増発は逆で、むしろ減便のほうが理解しやすい。そもそも7月上旬から9月下旬という期間は、夏休みよりも前後に長い。これは学校とは関係なさそうだ。

 そんな疑問を、東急電鉄に勤める知人に聞いてみたところ、「ああ、それ、ボクらは"キヤノンダイヤ"って呼んでますよ」とのことだった。

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