エアバスが開発を進める長距離用の最新鋭中型機「A350」がいよいよ今日、2014年11月19日に日本に初飛来する。
今回日本にやってくるのは、アジア諸国を回るデモツアーの一環だ。現地時間の11月17日にエアバス本社工場のある仏トゥールーズを予定どおり離陸し、まずは最初の目的地であるソウルへ到着。19日午後3時頃、羽田空港へ到着する予定となっている。
これまでボーイングの大型機を購入することが多かったJALが発注したことでも話題になったエアバスA350(以下、A350XWB)とはどんな飛行機なのだろうか?
A350XWBファミリーは、276席〜369席を装備する3つのモデルから構成されている。標準モデルとなるのが、今回日本にやってくる「A350-900」だ。
エアバスでは、ロールスロイス製のトレントXWBエンジンを搭載したテスト機をこれまで5機(MSN001〜005)完成させ、さまざまな条件下でトータル2600時間を超えるテストフライトを実施してきた。結果、9月30日にEASA(欧州航空安全庁)から、11月12日にはFAA(米国連邦航空局)から型式証明を取得。
ローンチカスタマーとして計80機を発注しているカタール航空には、今年度末にも初号機の引き渡しが予定されている。2014年10月末時点での総受注機数は、39社から計750機。その3分の1が、アジア太平洋地域からのオーダーである。
JALは、2013年10月に56機(確定31機とオプション25機)を発注している。当時ニュースになっていたので、ご存じの方もいるだろう。これまでほとんどの大型機をボーイング社から調達してきたJALが、エアバスの最新鋭機種を発注したことに、多くの人が驚いたのだ。実際にJALでA350の運航が始まれば、日本人利用者にとっても、非常に身近な存在になるだろう。
今日、日本に飛来するのは、客室(ビジネスクラス42席、エコノミークラス223席)を装備したテスト機の5号機(MSN005)。今年7月から8月に実施された香港、シンガポール、オーストラリアへの路線実証飛行テストツアーに続き、今回のアジアツアーではソウル、羽田、ハノイ、バンコク、クアラルンプールを訪問する。有望なアジア市場でのさらなるセールス拡大を狙って計画されたデモンストレーションツアーだ。
A350の注目ポイントは2つある。1つは「環境性能」だ。エアバスが世界最大のオール2階建て機「A380」用に開発した新素材を機体構造へ多用したことにより、A350の環境性能は大幅に向上したという。
もう一つは「快適性」。A350XWBの「XWB」は「エクストラ・ワイドボディ」の略である。同サイズの従来機に比べて、ボディの幅を拡大したというキャビンの快適性にも着目したい。
→「世界最大のオール2階建て旅客機、エアバスA380を解剖する」(参考記事)
明日11月20日には、関係者を招待して、羽田から1〜2時間の体験フライトと内覧会が予定されており、私も参加する予定だ。エアバステクノロジーの“粋”を集めた最新鋭旅客機が、はたしてどんなパフォーマンスを見せてくれるか? その乗り心地は? 実際にA350を体験した詳しいレポートは後日公開するので、お楽しみに。
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