固定電話が人々のコミュニケーションメディアの王座から降りると、そんな了解事項は「死語」になった。そして携帯電話が出てきて、ネットが普及して、SNSが出てきてと、まるでビッグバンのような猛烈なスピードで、コミュニケーション・メディアが増加した。その1つ1つに、小さなグループごとの「了解事項」が生まれ、それがないグループと摩擦や対立が起きる。インターネットによって、了解事項は解体し「大きな少数のグループ」から「小さな無数のグループ」に分裂していく。こうした現象は「社会のバルカン(半島)化」と呼ばれている。
人間の思考や、あるいは合意や了解の形成よりはるかに早いスピードで、テクノロジーは進歩する。新しいサービスや機器が登場する。この「進化のスピードの速さ」ゆえに、インターネットは理解よりは誤解を、平穏よりは混乱を生むのではないか。これが「インターネット・ディストピア」のもうひとつの姿である。
朝日やNHKが選ばれない時代に、私たちが注意しなければいけないこと
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何が問題なのか? メディアにころがる常識Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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