世の中の仕事の9割はつまらない?――中2の娘と4時間半激論してみた父と娘のマジトーク・クリスマス特別企画(4/8 ページ)

» 2014年12月25日 03時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

15年後、今は存在しない産業に携わっているかもしれない

父: いまの若い人って、将来を不安視する傾向があるらしい。ちゃんとした仕事に就けるだろうか、お金は稼げるだろうか、結婚できるだろうか、老後は大丈夫だろうか、政府の舵取りは問題ないだろうか、と。

娘: あたしはどっちかって言うと、不安より期待のほうが大きいよ。

父: そりゃいいことだ。ちなみに不安要素って何?

娘: やりたい仕事に就けるか、就けたとしても周りの人についていけるか、だね。

父: やりたいことはあるの?

娘: 動物関係の仕事をしたいとモヤモヤッと思うくらいで、べつにこれって決めたわけでもないし、まだ分からない。

父: そりゃそうだ。知らない仕事のほうがはるかに多いしね。これから時間をかけて探していけばいいんじゃない?

娘: お父さんは中学生のとき、将来のイメージはあったの?

父: ぜんぜんない(笑)。なにしろ、当時は存在すらしなかった世界で働いているからなぁ。

娘: どういうこと?

父: お父さんが子供のころは、家にはパソコンも携帯電話もなく、インターネットなんてSFの世界の話だったんだ。

creativecommons photo お父さんは昭和の人……(Photo Credit: Gueоrgui via Compfight cc)

娘: お父さんは昭和の人だしね。

父: でも、どういう巡り合わせか、インターネットの世界に身を置いている。ここがゴールではなかったけど、いろんなことをやっていたらたどり着いちゃった。同じように、15年後のサオリは今は存在しない産業に携わっているかもしれない。

娘: そんなことあるのかなー?

父: 革命的な技術革新のせいで今存在する仕事がなくなって、新しい産業が生まれることはよくあるじゃん。

娘: 馬車の代わりに、自動車が誕生したとか?

父: そうそう、現代だって馬車に当たる何かはあるし、馬車に代わる新しい何かもあるよ。

娘: だとしたら、いくら考えても結論なんて出ないよ?

父: ここで結論を出さなくていいよ(笑)。いま持っている知識だけで将来を決めようとしないってことだけ、覚えておいて。

クラウドファンディングってすごすぎる

父: 将来の選択肢は、今ある仕事から選ばなくちゃいけないとは決まっていない。たとえばこのサイトを見てごらん。

クラウドファンディングを行うサイト「CAMPFIRE」

娘: キャンプファイヤー?

父: 「クラウドファンディング」といって、アイデアに対してお金を世間一般の人々から集める仕組みなんだ。音楽、本・漫画、アート、映画……「アイデアはあるけど、お金がないからみんな助けて!」って呼びかけることができる。

娘: えーっとなになに、「戦艦大和を復元するプロジェクト」、「写真集を作る」、「オタクイベントを開催する」、「アフリカに日本食を広める」……関係ないものがいっぱい並んでいるけど、まさかこれを本気でやろうとしているの?

CAMPFIREで進行中のプロジェクト

父: そうだよ。パーセンテージは、目標額に対する、現時点で確保した金額の割合だ。

娘: どれどれ……えぇっ! 戦艦大和は149%!? しかも、100万円以上も集まっているよ。すごいじゃない!

父: このアイデアに賛同して、応援したいって人がそれだけいるんだな。キャンプファイヤーだけじゃなく、「READYFOR?(レディーフォー)」とか、「Makuake(マクアケ)」、「ShootingStar(シューティングスター)」とか、すでにいくつものクラウドファンディングサイトがあるよ。

娘: すげー……お金ってそんなカンタンに集まるものなんだ……。ん? まだ5%しか達成できてないアイデアもあるね、イケてないってことかな。

父: それは募集を開始して間もないからだよ。お父さんが言いたいのは、やりたいことがあるなら、クラウドファンディングって手段もある、ってこと。お金がなくても、仲間がいなくても、クールなアイデアと行動力があれば、何かを始められるんだ。ステキだろ?

娘: すごいよ〜、クラウドファンディングすごすぎるよ〜!

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