父と娘が1つのテーマに沿ってガチで話し合う本企画、残す所あと2回となりました。今回のテーマは、娘のリクエストで「人間の生きる意味」について。
これまでさまざまなテーマで話し合いましたが、今回が最も盛り上がりました。女子中学生らしからぬ若干重た目なテーマですが、今回と最終回の2回にわたりお付き合いください。
今回は、朝のガストで話し合いました。
父: 最近「人間の生きる意味」を考えているらしいけど、いつから?
娘: お父さんが『手紙屋 蛍雪篇〜私の受験勉強を変えた十通の手紙〜』って小説を読ませてくれた辺りだから、去年の夏だね。
父: 今も小説は書いてるの?
娘: もうすぐ二作目を書き終わるところ。三作目は、人間の生きる意味をテーマにするから、2人で話したいなって思ってた。
父: それにしても、重いというか何というか……女子中学生らしくないテーマ設定だな。
娘: 私も、どうしてこのことが気になるのか、よく分からないんだ。
父: 「人間の生きる意味」を考えてみて、何か分かったの?
娘: 考えたけど、行き詰まったから、学校の先生に聞いてみた。先生と各生徒が毎日やりとりする交換日記的なノートがあって、その日の出来事とか、困ったことがあったら書くことになってるのね。そこに、「人間の生きる意味って何ですか?」って書いてみたの。あと、「人間はなぜ死を恐れるのですか?」とも。
父: 担任の先生からは、どんな答えが返ってきた?
娘: 「人間の生きる意味は、人生を楽しむためです」だって。
父: 死のほうは?
娘: 「人間が死を恐れるのは、自分の存在が世界からなくなってしまうからです」だって。
父: そっか……。で、納得できた?
娘: いや、できなかった。理解はできるけど、フツーっていうか、それだけじゃないんじゃないかなって。だから、塾のM先生にも聞いてみたの。
父: 塾の先生は、違う視点から意見をくれた?
娘: M先生によれば、「人間が生きている意味を探すため」なんだって。
父: ほほう。
娘: クラス中が、「おおっ」ってどよめいたよ、お父さんはどう思う?
父: なんだか、質問をそのまま返されたようで禅問答みたいだね。面白い考えだとは思うけど、生きている意味を探すのが、生きる意味……でいいのかな。
娘: えー、違うの?
父: お父さんだって、正解は知らないよ(笑)。M先生の言う「意味を探す」ってのは、大切なことと理解できる。でも、探すこと、あるいは見つけることそのものが生きる意味なのかっていうと、なんかしっくりこないな。
娘: 私も、他の生徒も、その場では感激してたんだけどな。
父: じゃあ、M先生の答えには納得できる?
娘: そー言われるとちょっと……。間違ってはいないだろうけど、別の答えもありそうな気がする。
父: お父さんも、そう思うんだ。
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