世の中の仕事の9割はつまらない?――中2の娘と4時間半激論してみた父と娘のマジトーク・クリスマス特別企画(5/8 ページ)

» 2014年12月25日 03時00分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

面白い仕事を思い付いたら、自分で作ってしまえばいい

父: 念のために言っておくが、集めたお金が自分の懐に入るわけじゃないぞ。勘違いするなよ(笑)。あくまで、プロジェクトを実行するための資金だからな。

娘: 分かってるって(笑)。

父: こんな素敵な仕組みを作ってくれた人がいることに、感謝したくないか?

娘: これを発明した人は天才だよ! クラウドファンディングって仕組み、誰がいつ発明したの?

父: 企業が他人から資金を調達するって考え方は大昔からあったよ。インターネット上で多くの人々から少額のお金を集めるってコンセプトって意味では、ここ数年の動きだよ。

娘: 今すぐには何も思いつけないけれど、あたしも何かやってみたい。なんだかワクワクしてきた!

父: クラウドファンディングって仕組みがあれば、やりたいことができない言い訳がなくなっちゃうね。

娘: お金を集めようとしている人たちの写真を見てるとさ……とってもイキイキしてるっぽいね。

父: そりゃあそうだろう。クラウドファンディングを知って、仕事に対する印象は変わった?

娘: すごく変わった。働くって、面白くて価値があって、ワクワクすることなんだ!

父: アイデアさえあれば、誰でも自由にやりたいことができる環境が整っているってことだ。サオリはいい時代に生まれたな。

娘: うん。でもさ、ふつうの中学生は絶対にこういう仕組みは知らないと思う。こんな世界があるってこと、学校でも教えてくれたらいいのに。どうして誰も教えてくれないのかなぁ? 日本中の中学生に伝えるべきって思うくらい、素晴らしいことだと思うよ。

仕事の報酬は仕事

父: サオリ、仕事の報酬ってなんだと思う?

娘: そりゃあ、お金でしょ?

父: 他には?

娘: やりがいかな……? 人から感謝されて嬉しいとか、達成感を味わうとか。

父: もう一つあるんだけどな。

娘: えーーー? それ以外には思いつかないよ。忍耐力がつく、とか……。

父: 仕事の報酬は、仕事だよ。

娘: 仕事をしたら、仕事をもらえるってこと? どういう意味?

父: いい仕事をすると、さらに面白い仕事をさせてもらえるってこと。

娘: たとえば?

父: サオリがラーメン屋でアルバイトを始めたとする。最初は何も分からない素人だから、チラシ配りのような簡単な仕事をさせられる。駅前に行って、アカの他人に頭を下げてチラシを配る。大半の人は無視して受け取ってくれない。

(写真はイメージです)

娘: うんうん。

父: 「こんなくだらない仕事、やってられるか」と文句を言って辞める人と、「これくらいの仕事、やりきってみせる」と踏ん張る人がいる。

娘: なんとなくだけど、半分以上の人が辞めちゃう気がするな。

父: そこで辞める人は、次のステージに進めない。チラシ配りを完璧にこなせる人は、やがて「じゃあ、こっちをやって」と別の仕事を与えてもらえるようになる。

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