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» 2015年01月03日 09時17分 公開

Webサービス「愛と家のスワッピング」を利用すると、“ムダ”が見えてきた烏賀陽弘道の時事日想(特別編)(3/5 ページ)

[烏賀陽弘道,Business Media 誠]

クルマにピンクのヒゲ

 実は、これに似たサービスを見たことがある。2013年夏のサンフランシスコだ。坂の多いあの有名な街を、シャレでも冗談でもなく、本当にボンネット前面にピンクのヒゲがついているのだ。

 ある日ガマンできなくなって、信号で止まっていたピンクヒゲの白いトヨタ車のオッサンに話しかけた。このヒゲは何だ、と。彼は「これはリフトだ!」とだけ叫んで青信号で走り去った。

 検索してやっと分かった。“Lyft”と綴るのである。“Lift”と書けば“give a lift”で「クルマに乗せてあげる」という意味である。

 「Y年M月D日H時にPからQまでN人クルマに乗りたい」と掲示することができる。それを見た同方向にクルマで走る人は「じゃあ、乗せてあげる」と意思表示する。商談が成立したら、運転者のクレジットカードに、同乗者のクレジットカードから「運賃」が支払われる。そんな仕組みだ。

 サンフランシスコ周辺のハイウェイは、片側6車線くらいの巨大な道路なのだが、朝夕のラッシュアワーにはクルマが何キロもつながる。地下鉄(BART)もあるのだが、渋滞は減らない。社会問題化している。

 しかし、よく見れば、4〜5人乗りの乗用車の多くは運転者一人が乗っていて、あとの座席は空いている。それなら、相乗り希望の同乗者を紹介すれば、空いたシートが埋まる。その分、クルマの走行台数が減り、渋滞が軽減する。排気ガスも減る。ガソリンの消費も減る。ドライバーにはお小遣いが入る。クルマのない人も移動がラクだ。お金の節約にもなる。

 「クルマ社会アメリカ」などというが、都市部の若い層には「エコ」「資源節約」の考えが浸透し始めている。特にカリフォルニアはエコ重視である。サンフランシスコはインターネット文化の聖地・シリコンバレーにいちばん近い都市だ。ここで生まれたのは必然とはいえ、うまい手を考えたものだなあと思った。

「ピンクの口ひげ」がトレードマークのリフト。クルマの相乗りサービスは地球だけでなく、財布にも優しい(出典:Lyft)

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