もしもあなたに、子どもがいたら「金曜日の6時半といえば?」と聞いてみてください。そうすると、目を輝かせ、こう返してくるでしょう。「妖怪ウォッチの時間!」
月刊情報誌、日経トレンディが発表した2014年のヒット商品ランキング第2位は、「妖怪ウォッチ」でした(ちなみに、第1位はアナと雪の女王)。子ども向け商品のヒットには、大人も引きずり回されるもの。
休みの日に街を歩いていると、妖怪ウォッチグッズを求める親子連れの長蛇の列を見かけることも、もはや不思議な光景ではなくなりました。子どもたちは、目をキラキラとさせ、大人たちの眼は、どんよりと疲れ切っていましたが……。
以前、なぜ妖怪ウォッチがこれほどまでに流行ったのかについて、経済学的に分析をしましたが(関連記事)、今回は、妖怪ウォッチが引き起こした「何でも妖怪のせい」現象を心理学的に解明してみたいと思います。
妖怪ウォッチのブームによって、子どもたちが「なんでも妖怪のせいにする」ことが問題視されています(なんでも「妖怪のせい」にする子どもが増えているみたい)。番組のエンディングテーマとして使用された「ようかい体操第一」の歌詞の中では、「寝坊したこと」や「イケメンなのにフラれたこと」などが妖怪のせいとして描かれています。
これくらいだったらかわいいものですが、「部屋の片づけができない」とか「勉強する気にならない」とか「お母さんの言うこと聞きたくない」といったことまで全部「妖怪のせい」にしてしまう子どももいるそうです。「妖怪のせい」で親は納得するはずがありません。
しかし、「妖怪のせい」にすることで、心が落ち着く子どもだっているでしょう。本稿では心理学の視点にたって、一概に良いとも悪いとも言えない「妖怪のせい」現象のメカニズムを説明していこうと思います。
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