妖怪のせいにすることのメリットは責任の所在を明らかにしないことです。私たちは、しばしば、問題が起こったときにその責任は誰にあるのかということばかりに注目してしまう傾向があります。このとき、「人VS. 人」という対立構図になり、結局問題の解決には至らないということに陥りがちです。その結果、問題解決はしていないが、「誰かに」とりあえず謝ってもらうしかなくなるということになってしまいます。
責任の所在は曖昧なままに、とりあえず謝罪というのは根本的な解決策ではありません。かといって「妖怪のせい」にすることも根本的な解決策であるのかというと、それは断言することはできません。しかしながら、人間関係の維持という点では、後者のほうが問題解決には得策なのかもしれません。(宮前良平)
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悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編)Copyright © Credo All rights reserved.
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