「売り込まないと売れない」という思い込み売れる文章術

» 2015年01月19日 06時00分 公開
[中野巧,Business Media 誠]

集中連載「売れる文章術」について

本連載は中野巧著、書籍『売れる文章術』(フォレスト出版)から一部抜粋、編集しています。

文章というものは書くのに時間がかかり、面白い文章を書くには難しく、何を書いていいか分からないという人が少なくない。ビジネスにおける文章となると売り込まなくてはならない、読んでもらえない、自分の気持ちを文章にまとめられないなど、苦労しても売上げや集客につながらないなど悩みは尽きない。

この本では、
 ・売り込み文、あおり文に疑問を感じている人
 ・忙しくて、文章を書く時間がない人
 ・売上げ、集客など目標を達成したい人
 ・自分の文章スタイルを確立したい人
 ・自分らしい情報を発信していきたい人
などの書く苦しみから解消される文章作成法を紹介。

「共感されるセールス文章」が、あなたのビジネスにさらなる飛躍をもたらす。大手企業から教員、女子高生や小学生まで、簡単に文章が書けたという実績のあるノウハウをビジネス、つまり「売れる文章」の書き方に特化した内容です。


第二の落とし穴:売り込まないと売れない、という思い込み

Q:グイグイ前のめりな、売り込みセールスはもういやなんです。
A:いったんセールスをやめてください。

 私は、建築学部の大学生時代から大手ハウスメーカーで住宅設計をしているときにいたるまで、世の中で最も嫌いな職業は「営業(セールス)」でした。口八丁手八丁で売りつけて、自分だけが儲ける。そんな過剰な思い込みがあったからです。

 とはいえ、いいものを作れば売れる――そんな時代は遠い過去の話。将来の独立を考えていた私にとって、自分を売る営業力は必須のスキルでした。理系一筋で生きてきた私が修行の場として飛び込んだ通信会社の営業職を経験する中で、その強固な思い込みはガラガラと崩れていきました。

 お客さまが必要なもの、手にするとハッピーになるものを、相手が受け取りやすいように伝えることがセールスの役目なのだとしたら、それはとても意義のある仕事なのかもしれない。そう気が付いた3カ月後から、私の営業成績は飛躍的に伸びていきました。

 「あおりではなく、共感によってビジネスを構築したい」という人が集まっているからかもしれませんが、私のクライアントや受講生にもセールスにブロック(抵抗)のある人は多いです。私はそういった人たちが大好きです。

 なぜなら、売ること(セールス)に抵抗があるということは、自分を守る術(すべ)であると同時に、「相手にこう思われるんじゃないか」と相手の立場に立って考えられる素地がもうすでにできているということだからです。

「セールスブロック」を解除する方法

(画像と本文は関係ありません)

 セールスにブロックがあると感じている人(そう感じること自体が共感センスだと思っています)や、セールスに苦手意識のある人は、いったんセールスをやめてください。その代わりに、あなたが大好きな人を紹介してみてください。

 紹介文を作るだけでもいいですし、その人との思い出を話すときやSNSに投稿するときでもいいので、その人を“魅力的に”紹介してください。その人を思い浮かべて魅力的に紹介しようとすると楽しくスキルアップできます。しかも、紹介した相手もその人を紹介された人も喜んでくれます。喜んでくれたらあなたもうれしいですよね。

 つまり、三者が喜び合いながら、あなたのスキルアップにもつながる“三方よしのノウハウ”なのです。

 誰かを魅力的に紹介しようと思うと、

  • 紹介された相手が喜ぶように考えます。
  • それを読んだ人(その人を紹介された人)が喜ぶように考えます。
  • 紹介しながらあなたはその人のことがもっと好きになっていきます。

 その人の魅力について掘り下げて考える過程で、視野が広がっていきます。

 このエクササイズを何回かやると、あることに気が付きます。人を紹介するのも商品を紹介するのも同じことだと。

  • 紹介された商品が喜ぶように考えます。
  • それを読んだ人(商品を紹介された人)が喜ぶように考えます。
  • 紹介しながらあなたはお客様や商品をもっと好きになっていきます。

 まずは実際にあなたの大切な人を魅力的に紹介してみてください。その人が喜んでくれたという経験が、あなたのセールスブロックをス〜ッと溶かしていきます。

 そしてそれが、あおりではなく共感をベースにしたお客さまに喜んでもらえるセールスの土台となります。共感を土台としたセールスは、関わる人がハッピーになっていくという意味でエンターテイメントです。この売れる技術を活用して、あなたもセールス・エンターテイメントをぜひ楽しんでください。

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