「入札」って何ですか?――入札情報サービスに聞きましたゆるキャラ案件、オリンピック案件、マイナンバー案件……(3/4 ページ)

» 2015年01月19日 08時10分 公開
[ふじいりょう,Business Media 誠]

大きな企業が有利というのは偏見?

――今のお話にもありましたが、「入札」というと、実際には先に談合がなされているのでは、というネガティブなイメージを持っている人も多いのでは、と思います。

渡邉: 確かに、建築土木系ではそういったニュースや話を聞くことはたまにあります。しかし、役務物品系ではほとんど話は聞かないですね。取締りも厳しいですし。まったくゼロではないかもしれませんが。

――大きな企業や、自治体に営業マンが出入りしている業者の方が有利、ということはないのでしょうか。

渡邉: 個人的には、あまり有利ではないかな、と思います。発注機関側で仕様書を作成する際にヒアリングをする、というケースもあるようですが、結局のところ入札では金額が安い会社が落札することになります。取り扱っている案件にもよりますが、見積もりをバンバン出して、落札できればラッキーという感覚の方が良いのでは、と思います。

――逆に、入札案件で事業者にとって「これは地雷だぞ」というものもあるのでしょうか?

渡邉: 仕様書が「明らかにおかしいな」というものは、読み慣れてくると気付くことができますね。ただ、どの仕様書も公開されているので、発注機関側に「どうしてこのような仕様になっているのか」「そもそも目的は?」という問い合わせや批判が集まることもあるようです。今は2020年の東京オリンピックに向けた案件やマイナンバー制度の導入を見据えた案件が増えているので、他の類似案件を比較しつつ注意しておくといいかもしれません。

今は2020年の東京オリンピックに向けた案件やマイナンバー制度の導入を見据えた案件が増えている

――お話しをお聞きしていると、とりあえず資格を取って入札に参加してみる、というだけでも仕事の幅を広げることにつながりそうです。

渡邉: 一件あたりの平均落札金額が数千万という世界ですので、売上増につながりますし、資格を持ってさえいればどの会社にも平等にチャンスがあります。大げさな話ですが、立ち上げたばかりの会社と大企業がガチンコで戦えるということも、入札案件ならば可能性としてあり得ます。大企業よりも経費が乗らない分だけ、小さな会社の方が落札のチャンスが高い場合もあります。

――入札額を低く出せれば勝てるかもしれない、ということですね。

渡邉: あとは、国や自治体との取引があるということで、対外的に信用度が上がるというのも企業にとっては大きなメリットですね。

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